アウトサイドシュートを生命線とするも、京都精華の堅守の前に屈する

ウインターカップ2日目の12月24日に行われた京都精華学園と県立小林の女子2回戦は、イゾジェ・ウチェのインサイドプレーで試合を優位に進めた京都精華が85-63で勝利した。

平均175.8cmの京都精華に対し、164.6cmと高さで劣る県立小林は、5人全員が3ポイントラインまで広がる5アウトを主体としたオフェンスを仕掛け、長距離砲から勝機を見出す作戦でインターハイ王者に挑んだ。

最初の10分間は、京都精華のインサイドとトランジションオフェンスに終始苦戦するも、このクォーターだけで14得点をマークした平野和々美を筆頭に、3ポイントシュート攻勢で反撃。また、アウトサイドを警戒した京都精華の裏を突いたパスやドライブも成功し、7点ビハインドと接戦に持ち込んだ。

しかし、第2クォーターに入ると、アウトサイドに対する守備を徹底した京都精華の前にタフショットが続き、フィールドゴール成功率が10.0%とオフェンスが停滞。オフェンスリバウンドも取れず、トランジションを連発されてしまいこのクォーターは21-9と大差をつけられる。第3クォーター以降は、シューターの山方凜が「この時のシュートがいつもの感覚で打つことができて一番良かった」と振り返る3ポイントシュートを連続で決めて追い上げる場面を作り出すも1桁点差が遠く、弱点のインサイドから失点が続き、追いつくことができなかった。

シューターとしてチームを牽引した山方は、4本の3ポイントシュートを含む14得点をマークしたが自身のパフォーマンスに納得がいかなかった。「ドライブした時の合わせを意識して動いたことで、3ポイントシュートの本数を獲得できたと思います。ベンチメンバーが決め切ってくれましたが、個人的には全然決めることができなくて悔しいです」

チームで放った48本の3ポイントシュートのうち、18本が山方によるものだ。常にリングを狙う姿からシューターとしての覚悟が感じられたが、それは誰よりも練習をしてきた自負と仲間の信頼から生まれたと山方は言う。「自分が誰よりもシュートを打ち込んできた自信があったし、それをみんなも認めてくれていました。どんな場面で打ってもリバウンドに入ってくれたり、どれだけ外しても『打ち続けて!』と声掛けをしてくれたからこそ打つことができました」

山方は第3クォーター残り5分に個人4つ目のファウルをコールされ一時ベンチに下がる時間もあったが、再びコートに立つと攻め気を失うことなくリングを狙い、チームのために戦い続けた。「自分が積み上げてきたものは間違っていないと今でも思っています。シュートが入っていなくてもチームのためにできることをやるというマインドを持ってプレーし続けることができました。小林で培ったこのマインドは発揮できたと思います」。チームのために戦い、自らの役割に徹するフォア・ザ・チームのマインドは、その姿を見た後輩たちに受け継がれていくだろう。