薮未奈海

高木コーチ「『自分がやらなきゃ』になってしまっていた」

ウインターカップ女子2回戦、岐阜女子(岐阜)vs八雲学園(東京)の一戦は高さでアドバンテージを持ち、強固な守備で相手のストロングポイントを封じた岐阜女子が76-50で勝利した。

7連続9回目のウインターカップ出場を誇る八雲学園はトランジションを持ち味としたハイスコアリングゲームを得意としている。序盤は足が動いてリズム良く得点を重ね、第2クォーター開始3分半の時点で2点ビハインドと接戦を演じた。しかし、そこから相手の術中にハマり、個での打開が増えたことで0-11と一気に失速。後半も岐阜女子のツインタワーを軸としたオフェンスを止められず、じわじわと離されていった。

高木優子コーチが「ウチはパスランでやるのにドリブルをさせてあえて突っ込ませさせていた。ドリブルをしだすと楽をしてしまいます。相手の作戦だったと思う」と振り返ったように、八雲学園はパスを回さずに個の打開が増えたことで、多くのタフショットを打たされた。

キャプテンの薮未奈海も強気な姿勢が逆効果になってしまったと言う。「第2クォーターでオフェンスが悪くなってきた時に最後は自分がやらなきゃって思いがあったので、それが少し空回りしてしまいました。周りが空いていたのにタフショットを打ってしまって、今日は冷静な判断ができていなかったところが多かったです」

薮は初戦で20得点を挙げているようにそのオフェンス力は申し分なく、岐阜女子はそれを分かっているため、彼女へのヘルプを徹底していた。ダブルチームに来れば、その分誰かが空く。それは当然のことだが、強度の高いディフェンスを前に、その空いている場所へ的確にパスを送ることは簡単ではない。藪も「寄ってきたらさばく意識は持っていたんですけど……」と言葉に詰まる。「周りに頼っていないわけじゃないですが、相手を引き寄せてもっと良いパスができたはず。最後だからというので、自分がやらなきゃって思いは一番強かったです。夢中になりすぎていた自分がいました」

3年間をともにしてきた高木コーチは「抜いても次々と来るからそこでパスを回せば良かったけど、『自分がやらなきゃ』になってしまっていた」と、藪の心境を見抜いていた。

誰であっても、負ければ最後という舞台で冷静さを保つことは難しく、肩に力が入ってしまうことはある。その実体験は必ずや自分の糧になるだろう。「自分のプレーが出せた感じじゃないので悔しいですが、自分のバスケ人生は終わりじゃないので。この悔しさを忘れないで頑張っていきたいです」。そう涙を溜めながら前を向く、彼女の今後の発展に期待したい。