勝敗が決した試合終盤にはウェーブが発生「今日のプレーはそれに値する」
グリズリーズは現時点のNBAで最も勢いのあるチームだ。12月15日にはヤニス・アデトクンボを擁するバックスに最大50点のリードを奪って圧勝し、連勝を7へと伸ばした。バックスはポイントガードのドリュー・ホリデーを体調不良で欠いており、彼がいれば多少は崩れたリズムを立て直せたかもしれないが、グリズリーズの大勝という事実は変えられなかっただろう。
アデトクンボのマークは最初はジャレン・ジャクソンJr.で、止めるためにファウルがかさんだものの、激しいディフェンスでリズムに乗らせない。ジャクソンJr.がファウルトラブルに陥った後は、その役割をスティーブン・アダムズ、ブランドン・クラーク、サンティ・アルダマが引き継ぎ、決して快適にプレーさせなかった。指揮官テイラー・ジェンキンスは「複数の選手であらかじめ決めたルール通りに守ることができた。彼をペイントエリアから締め出す、本当に良い仕事ができた」と、このアデトクンボ対策が勝因になったと語る。
アデトクンボは総員で抑え込んだのに対し、クリス・ミドルトンはディロン・ブルックスが一人で完璧に抑えた。前半終了時点でアデトクンボは15得点を挙げたものの、ミドルトンは無得点。70-41と大差が付いた。第3クォーターは47-30、打ち合いの末にグリズリーズがリードを広げ、早々に決着を付けた。アデトクンボは第3クォーター途中までしかプレーせず、残るスタメンも第4クォーターには出場していない。
グリズリーズのエース、ジャ・モラントはゲームハイの25得点を記録。彼にしては控え目な得点数となったが、10リバウンド10アシストも記録してトリプル・ダブルとなった。さらにターンオーバーは1のみ。この試合ではギャンブルを避けて良いシュートチャンスを作り出し、効率良くチームで得点を重ねた。
両チームの主力が下がった後の第4クォーター残り5分、フェデックス・フォーラムの客席ではウェーブが起こった。すでにベンチに下がったジャ・モラントやブルックスも笑顔でこれに加わった。バックスにとっては屈辱だっただろうが、グリズリーズに悪意はない。彼らは観客も巻き込んで、プレーを最大限に楽しんでいる。
モラントは試合後の会見で楽しそうにこう語る。「ウェーブは楽しいよ。最初はちょっと様子見だったけど、やり始めたら楽しかった。今日のプレーはそれに値すると思う。ファンのみんなも僕らが必要とする時にはいつも助けてくれた。彼らの功績も大きいんだ。だから僕らもあのウェーブに参加できてうれしかった」
それと同時に、モラントはまだシーズン序盤で、チームがまだ成長していかなければならないことを肝に銘じてもいる。「僕らが最高のバスケをしていれば、どこが相手でも立ちはだかることはできない。見ての通り、今のパフォーマンスは素晴らしいものだと思う。でも、大事なのはハングリー精神を持ち続け、謙虚であり続けることだ。すべての試合が僕らにとって大切なもので、勝ち続けなきゃいけない」
つま先をケガしているデズモンド・ベインが長期欠場となっているが、グリズリーズはその影響を全く感じさせないパフォーマンスを発揮している。特にホームでは13勝2敗と無類の強さを発揮。その勢いは当面止まりそうにない。