ザイオン・ウイリアムソン

MVP候補との声が挙がる好調ぶりに「さらに上を目指したい」

「レギュラーシーズンの早い時期だから、サンズに連勝したって大したことじゃないと言う人も多いだろうけど、僕らにとってこの結果、今この順位にいることは、すごく重要なんだ。この勢いをキープするだけじゃなく、さらに上を目指したい。このチームには特別な力があるんだ」

サンズとのホーム2連戦に連勝したペリカンズのザイオン・ウイリアムソンは、そう言って胸を張った。

12月11日の2戦目、後半はリードする時間帯が長かったにもかかわらず、終盤にフリースローの確率が悪くてサンズに追い付かれた試合運びは改善すべきだが、クリス・ポールとディアンドレ・エイトンのピック&ロールから始まるサンズの多彩な攻めに苦しみながら、第4クォーター残り36秒でエイトンをファウルアウトに追い込み、延長の残り3分にはポールもファウルアウトにして、サンズから両翼を奪った。試合を通してそれだけの圧を掛けるタフな戦いで勝利をもぎ取ったことは、間違いなくチームの自信になる。

ザイオンは2日前の初戦では35得点7リバウンド4アシスト、2戦目では35得点8リバウンド3アシストと大活躍。チームは7連勝中で、この間は平均30得点超え、リバウンドもあと少しで2桁に乗る勢いだ。

それでも、ザイオンは自分ではなくチームによる勝利であることを強調した。「僕らは特別な絆で結ばれていて、みんなお互いの活躍を喜んでいる。チームメートもコーチも僕に自信を与えてくれて、僕もみんなに自信を返したいと思っている」

特にザイオンが感謝するのは、アシスタントコーチのテレサ・ウェザースプーとデベロップメントコーチのコーリー・ブリューワーだ。「2人がいつも『ビビるな、自分らしくプレーすればいいんだ。エネルギーを出して自分を表現しよう』と声を掛けてくれるおかげで、僕はもっともっと頑張ることができる」

さらにザイオンは、この連勝の要因がホームのスムージー・キング・センターで地元ファンの後押しを受けられたことだと語る。「大事なフリースローを外したけど、『よし、次は決めよう』と思わせてくれた。これがニューオリンズなんだ。僕はこの街を愛しているし、こうやって応援されてプレーするのは本当にうれしい」

今のペリカンズは7連勝中で西カンファレンスの首位を走っている。ザイオンも毎試合に出場して、連日連夜の大活躍だ。今シーズンが始まるまで、ザイオンはケガ続きで出場よりも欠場する試合の方が多く、プロフェッショナル精神の欠如が指摘され、「ペリカンズではプレーしたくないのではないか?」との疑念まで持たれていた。

同じくペリカンズも冴えなかった。ザイオンが加入してから2シーズンはプレーオフに進出できず、ザイオンが全休した昨シーズンはプレーオフに進んだものの、サンズ相手に力の差を見せ付けられてのファーストラウンド敗退を喫した。

今はすべてが劇的に好転しているが、「僕らは変わっていない」とザイオンは言う。「変わったのはCJ(マッカラム)、ラリー(ナンスJr.)、トレイ(マーフィー三世)、ホセ(アルバラード)が加わったことぐらい。チームは昨シーズンから実力を伸ばしていた。見ているだけなのは辛かったけど、試合の映像をしっかり見て、自分が復帰した時にはすぐチームにフィットできるよう準備していた。今でもそれはやり続けているよ」

連勝を重ねるごとにザイオンとペリカンズは自信を強めている。この調子でザイオンには早くもMVP候補との声が上がり始めたが、この好調がもう少し続けばペリカンズにも優勝候補との声が出てくるだろう。だからこそザイオンは言う。「さらに上を目指したい。このチームには特別な力があるんだ」と。