アルバルク東京

最終クォーター終盤までどちらが勝つか分からない接戦に

アルバルク東京vs京都ハンナリーズの第2戦は、A東京が1、2ポゼッションを追いかける時間が続いたが最終クォーターに逆転して62-58で接戦を制した。

第1クォーターはともに重い立ち上がりの中で京都が先手を取る。ゾーンディフェンスを敷いてA東京の攻め手を封じると、開始約4分間を無失点(6-0)に抑えた。さらにオフェンスではスペーシングを上手く使いながら、マシュー・ライト、久保田義章、シェック・ディアロがそれぞれ3点プレーとなるバスケット・カウントを決めてA東京を突き放し、19-11で第2クォーターを迎える。

京都のゾーンに苦戦したA東京だが、相手がマンツーマンに戻した第2クォーターはオフボールで全員が動き回り、しっかりズレを作って自分たちのペースでオフェンスを展開する。中でも安藤周人はライアン・ロシターとの合わせ、トップからのダンク、左ドライブからのレイアップと3連続得点を挙げてチームを牽引。A東京は安藤の活躍もあり、第2クォーター開始5分間を10-4として2点差(21-23)まで詰めて、オフィシャルタイムアウトを迎えた。

第1クォーターの貯金がなくなりそうになった京都だが、オフィシャルタイムアウト明けからリズムを取り戻す。久保田が冷静なゲームメークを見せてディアロとのピック&ロールを決めると、ディフェンスでも再びゾーンでA東京のペースを乱していく。ともにディフェンスの強度が上がり得点は伸びなかったが、京都は逆転を許すことなく29-25で前半を終えた。

後半に入ってもA東京が追いかける形で一進一退の攻防が続いた。第3クォーターには一時、2点差まで詰めたA東京だったが、その直後のポゼッションで京都に得点を許し、なかなか追いつくことができなかった。6点ビハインドで第3クォーターを終えたA東京はセバスチャン・サイズの3連続得点で48-49としてオフィシャルタイムアウトを迎える。その後も拮抗したが50-51で迎えた残り4分10秒、ザック・バランスキーがここまで19得点8リバウンドを挙げていたディアロから個人5つ目となるオフェンスファウルを誘発し、ファウルアウトへと追いやった。さらに、京都はこの直後にテクニカルベンチファウルもコールされ、安藤がこれで得たフリースロー1本を成功させて同点(51-51)に。その後も互いに譲らず残り1分半を切っても同点だったが、A東京がインサイドの攻防で上回ったことで試合を制した。京都のゾーンに最後まで苦戦して1本目のシュートを決め切ることができなかったが、サイズやロシターがセカンドチャンスポイントをねじ込むことで得点に繋げた。そして、残り19秒、小酒部泰暉が左ドライブからトドメのダンクを叩き込んだA東京が62-58で勝利した。

A東京は試合を通してフィールドゴール成功率が36.2%と上がらなかったが、リバウンドを44-29と圧倒。中でもオフェンスリバウンドを22本も獲得し、セカンドチャンスポイントを18-4としたことで、ゾーンディフェンスに苦戦した中でも得点を稼ぐことに成功した。

アルバルク東京

「小さいコミュニケーションの部分から追い上げムードを作った」

勝利したA東京の指揮官デイニアス・アドマイティスは、「非常にタフなゲームを最後のギリギリのところで勝つことができました」と辛勝した第2戦を振り返った。「前半はかなり点数を取られてしまいましたが、後半の特に第4クォーター終盤のところは、ウチのシュートが入らなくてもディフェンスで我慢して相手の得点を許さない形でした。今日は本当にディフェンシブゲームで勝った試合でした」

A東京は勝利したものの、京都のゾーンを完璧に攻略したとは言い難かった。指揮官も「正直、オフェンスリバウンドは助かりました。ゾーンディフェンスをなかなか上手く攻略できず、点数に繋がらない部分がありました」と振り返った。また、今節のA東京は田中大貴とジャスティン・コブスがコンディション不良につき、ベンチ入りはしたが試合には出場しなかった。指揮官は言う。「私たちは笹倉(怜寿)とコブスのポイントガード2名に中心選手の田中大貴、この3名がプレーできなかったことも状況判断のところで上手く噛み合わなかった部分がありました。その中でオープンシュートを打てていたけど、今日に関しては確率が非常に低かったです」

この試合で15得点を挙げてチームを牽引した安藤は、22-12と圧倒した第4クォーターをこう振り返った。「京都はドライブしてキックアウトからの3ポイントシュートをやりたい中で、前半は僕らが少しオーバー気味にディフェンスで寄ってしまっていたので好きにシュートを打たれたシーンがありました。そういう部分をハーフタイムで確認し合いましたし、今シーズンはそういったコミュニケーションがかなり増えてきているので、苦しい時間帯でも悪い雰囲気にはなりませんでした。そういう小さいコミュニケーションの部分から追い上げムードを作ったと思うので、今日は得るものがたくさんありました」