ライジングゼファーフクオカ

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

勝負を分けたラスト2分間の攻防

横浜ビー・コルセアーズvsライジングゼファーフクオカの第1戦。終盤までもつれる展開となったが、最終クォーターのラスト2分間で10-3と勝負どころで上回った福岡が接戦を制した。

立ち上がりからデクスター・ピットマンに8得点を奪われ先行された横浜だったが、オフェンスリバウンドで8-2と上回り、セカンドチャンスポイントで食らいつくと、細谷将司の逆転3ポイントシュートで第1クォーターを締める。第2クォーターに入るとトランジションも生まれ、小原翼の3点プレーとなるバスケット・カウントで横浜が20-13とリードを広げた。

だが福岡はピットマンをコートに戻し、再びインサイドを強調すると、今度は外の攻めも効果を発揮。城宝匡史が3本の3ポイントシュートをすべて沈め33-31と逆転して前半を終えた。

第1クォーターで3ファウルを犯し、ベンチに退いていたベンジャミン・ローソンを後半の頭から起用した福岡は、ピットマンとのツインタワーで押す。ピットマンが8得点、ローソンが6得点を挙げるなど、インサイドでアドバンテージを得た福岡は、第3クォーター残り1分にローソンのフリースローで6点のリードを得た。だがここで得て特別指定選手の中村太地に3ポイントシュート、ドライブを連続で浴び、52-51と追撃されて最終クォーターへ。

その後も拮抗した展開が続くが、残り2分から試合が動く。外を警戒する相手の隙を突き、城宝がドライブから得点し同点に追いつくと、小林大祐のスティールからピットマンが走り、3点プレーとなるバスケット・カウントで逆転。一気に流れを引き寄せる。

この勢いを止めたい横浜だったが、中村の3ポイントシュート、レイアップが外れる。終盤の大事な場面で若い中村がシュートを打たざるを得ないこの状況が、横浜の混乱を示していた。試合後、指揮官のトーマス・ウィスマンも「最終的に大事な場面でしっかりプレーが遂行できない」と語った。その後は福岡が再びピットマンの速攻で2ポゼッション差に広げたところで勝負アリ。終盤のパフォーマンスで上回った福岡がファウルゲームも乗り切り、78-71で競り勝った。

横浜ビー・コルセアーズ

内外のバランスで横浜を撃破

勝利した福岡のボブ・ナッシュヘッドコーチは「接戦になりましたが、後半にガード陣がしっかりボールをシェアして、得点に結びつくプレーをしてくれたのが良い結果となった」と試合を総括した。また「オフェンス面はインサイドでピットマンが活躍してくれた」とゲームハイの36得点を挙げたピットマンを称えたが、「そこで周りがしっかりボールをシェアした結果が24アシスト(チーム総数)に繋がった」と内外のバランスの良さも勝因に挙げた。

一方、敗れた横浜のトムコーチは「同点で迎えたラスト2分、自分たちが決めきれず相手は決めきる。我々はディフェンスでストップができず、相手には守られてしまった」と終盤のラスト2分間で3-10と突き放されたシーンを敗因に挙げた。

B1に昇格して苦戦の続く福岡に完敗を喫したことで、「自分たちで自滅をして、言い訳のできないような負けが続いている。自分たちを見つめ直して、次にどう動くかを本当に考えないといけない。ここから前進していくのに、何かを見つけて、何かをしなきゃいけないと思っているので、それをしっかり探していきたい」と神妙な面持ちで会見を後にした。

福岡は敵地で横浜を撃破し、3勝目を挙げて単独最下位を脱出。今日の試合の結果次第で、西地区5位の滋賀レイクスターズに並ぶ可能性もあり、必勝が求められる。