安藤誓哉

「渋谷さんの最後の勝ちに行くエナジーが僕らより一つにまとまっていた」

島根スサノオマジックはサンロッカーズ渋谷とのBリーグ第4節で、第1戦は95-79で勝利したが、第2戦は延長の末に95-102で敗れた。これで開幕節の第2戦から続いていた連勝が6でストップした。

敗れた第2戦、島根は4点ビハインドで迎えた第2クォーターを26-15と圧倒し、リードを奪って前半を終えた。しかし、第3クォーターは20-28とされ、ゲームは振り出しに。そして、40分間では決着がつかず、延長戦へ突入した。

島根が主導権を握った第2クォーターは、ポイントガードの安藤誓哉を起点にピック&ロールやペイントアタックからのキックアウト、ビッグマンとのハイ&ローなど、チームとしてのプレーが機能していた。また、ディフェンスの強度も高く、SR渋谷のボールムーブを停滞させて個々の単発プレーに追いやった。それでも後半になると、SR渋谷が今一度ディフェンスの強度を高め、オフェンスでもチームでボールをシェアしてリズムを取り戻した。一方の島根は、後半になればなるほど個々のプレーが増えていった。

試合後、安藤は「45分間かなり激しい戦いでしたが、渋谷さんの最後の勝ちに行くエナジーが僕らより一つにまとまっていて、完全に持っていかれたなというのが率直な印象です」と第2戦を振り返った。

バスケットは勢いや流れが重要なスポーツだ。エースが個のプレーでチームを活気づけることもあるが、それはチームとして同じ方向を向いて戦うことが前提としてある。安藤は「正直今日はチームとしてファイヤーしちゃいました。あそこでグッとチームとして固まらないと、優勝には届かないんじゃないかな」と、あらためてチームで戦う重要性を語った。

そして「負けたことは悔しい」としつつも、それ以上に「明確に出すぎて悔しかった」とチームプレーではなく、それぞれが個人プレーに走ってしまったことを悔やんだ。

安藤誓哉

「プレーブックで反省するのは簡単ですけど、バスケは数字じゃない」

今シーズンの島根は開幕戦を落としたが、第2戦からは勝ち続けていた。勝った試合にも反省点はあるが、負けることで課題がより明確になる。SR渋谷戦を経て「今日は本当に素晴らしいインテンシティと勝ちへのチームとしてのエナジー、まとまりを僕たちは見せつけられました。これをどれだけウチが理解するかです」と安藤は語る。

勝ちたいがゆえにゴールに一直線に向かっていくこともあるだろう。それでも、まずはチームとして一丸となって戦うことが大切であり、それこそまさにSR渋谷が第2戦で見せていたプレーだ。タレント揃いの島根なら個の力で打開できるゲームもあるかもしれない。しかし、上位チームとの対決や接戦の場面では、個ではなくチームとして共通認識を持って戦うことが重要になってくる。

安藤は言う。「プレーブックやビデオを見て、『ここはこうして』ってやっているだけだったら、ウチはこれ以上行かないです。プレーブックで反省するのは簡単ですけど、バスケは数字じゃない。どうしても形にならない、見えてこないミスもたくさんあるので、そこをどれだけ理解できるかです」

開幕4節目という早い時期に、チームの課題が明確になったのは良いことだ。ここからの長いシーズンを通して島根のチームとしての変化に注目したい。