アジア選手権準優勝を日本にもたらした奥山理々嘉&今野紀花は『仲良しライバル』

2018/11/08
日本代表
2025

奥山理々嘉

文=丸山素行 写真=バスケット・カウント編集部、FIBA.com

「上手くなりたい気持ちが強くなりました」

アジア選手権に臨んだU18女子日本代表は、準決勝でオーストラリアを撃破するも、決勝で中国に敗れ準優勝で大会を終えた。

萩原美樹子ヘッドコーチが「奥山(理々嘉)のところで得点は取れると思っていた」と話したように、奥山は平均11.6得点、5.8リバウンド、1.4アシストを記録し、大会を通じてその非凡なセンスを見せた。

2年生エースとして出場した昨年のウインターカップで1試合の最多記録を塗り替える『62得点』を挙げたスコアラーの奥山だが、今大会ではアウトサイドシュートも求められてスタイルを変更。奥山自身も「普段と違う自分を勉強できたのは良かった」と大会を総括した。

「オーストラリアも中国も、自分よりも体格の大きい選手につきました。強くてシュートもうまいし、大きい選手を相手にすることがあまりないので、普段できないディフェンスを学べました。オフェンス面でもボール運びをやったり、シューターとして求められていたので、普段とは違う役割でした」

準決勝のオーストラリア戦では、7本中5本の3ポイントシュートを成功させ17得点を記録した。交代してコートに入るや否や、積極的にシュートを放つ強心臓ぶりが印象的だった。それでも大会当初は「普段とは違うタイミングだったりしたので『これ打ってもいいかな?』って迷いました」とアジャストの苦労があったことを明かす。それでも「これが自分の役割なんだと思って、思い切り打つようになりました。3ポイントシュートに関しては結果を残せたので、それは自信に変えていいのかなって」と、吹っ切れたことで高い数字を残した。

決勝戦は予選リーグで一度勝利した中国との再戦となったが、後半に突き放されて涙を飲んだ。「スイッチされてシュートが打てなくて、完全に対策されました」と奥山も力負けを認めた。

だがこの敗戦が奥山の負けん気に火をつけている。「いつもは『悔しい』で終わっていたんですけど、今回は悔しすぎて。自分が上手になったらもっと上に行けるって思いましたし、なんて言ったらいいか分からないですけど、いつもとは違う悔しさがあって、もっと上手くなりたい気持ちが強くなりました」

奥山理々嘉

「銀メダルは負けて終わるので悔しかったです」

奥山と同様に、2年生エースとして昨年のウインターカップに出場し、高校生ながらA代表の合宿に招集された経験を持つ今野紀花も、今大会では平均13得点、4リバウンド、2.4アシスト、1.4スティールと活躍。萩原コーチもそのオールラウンドな能力を高く評価している。

「得意なドライブを決めて、バスカンも数回できたし、3ポイントシュートが打てるようになったのが収穫になりました」と笑顔で自身のプレーを振り返った今野だが、「苦しくない試合はなかったです」とアジアの強豪国との対戦を経てレベルの高さを実感したという。

「1試合1試合しっかり準備をして、緊張感を持って、その時間で何を必要としているかを考えながらやらなきゃいけないです。勝つことの難しさを感じました。銀メダルは負けて終わるので悔しかったですし、勝ちの価値を知りました」

以前の取材でも「高校生の中で一番うまい選手になれるように」と発言するなど、当時から高い成長意欲をのぞかせていた。だが代表合宿や、アジア競技会3x3での銀メダル獲得、そして今回のアジア選手権での準優勝など、高いレベルに触れていくことで、その思いは以前よりも強くなり、世界を意識するようになっていった。

「アメリカとか、レベルが高く良い選手がいっぱいいる環境の中で努力して、通用する選手になりたいです。知ってることが多いほうが成長するし、いろいろな経験をしたいです。日本の速いバスケは世界で通用してますし、他にどんなバスケがあるんだろうって思ったりもします。レベルの高い人たちに挑戦していきたいです」

今野紀花

「ツインズ(双子)って言われました」

今野の「高校生の中で一番うまい選手になれるように」という発言は、実は奥山を意識した言葉でもあった。今野と奥山は自他ともに認めるライバル関係にあるが、それと同時に仲も良い。

大会が行われたインドでの「ツインズ(双子)って言われました」というエピソードを、お互いの顔を見合わせ笑顔で明かしてくれた。

大会を終え、チームは解散。2人はそれぞれの高校に戻り、高校最後のウインターカップに集中することになる。準優勝を果たし、日本は来年のU19ワールドカップへの出場権を獲得した。ウインターカップに出場することになれば敵同士となるが、来年のワールドカップでは再び2人の共闘に期待したい。