川崎納見

インテンシティの高いディフェンスと得点力で存在感を発揮

川崎ブレイブサンダースは10月9日、ホームで広島ドラゴンフライズと対戦。川崎は敗れたものの最大19点差から1点差まで追い詰めた第1戦の勢いをそのままに、第2戦は攻守ともに気迫あふれるプレーを見せ78-70で勝利した。

第2戦の勝因の一つはディフェンスだ。広島のシューター、辻直人のディフェンスを志願したという前田悟、そして途中出場からタフな守備を見せた篠山竜青などの活躍が目立った。

その中で特にディフェンス面でチームに活力を与えていたのが、今オフに川崎に加入した納見悠仁だ。 納見は直近の2シーズンを新潟アルビレックスBBで過ごし、昨シーズンは平均8.1得点、4.0アシストと、ボールをコントロールしながら自ら得点も取れるポイントガードとして活躍した。

シューターのマット・ジャニングが故障のため出場できなかった開幕節の三遠ネオフェニックス戦の第2戦で、納見は2番ポジションで出場。12分38秒と限られた出場時間となったが、1ポゼッションを争う場面での3ポイントシュート2本成功を含む12得点を記録して川崎の連勝に貢献した。

今節での得点は第1戦の3得点に留まったものの、ドライブで相手を振り切るシーンが数多く見られた。また、ゾーンディフェンスの際も高い集中力と足を動かしたハードな守備で、広島のオフェンスに自由を与えなかった。納見は自身のディフェンスに対して次のように語る。「J(ジョーダン・ヒース)がいない中で、昨日の試合と同じにならないようにインテンシティを高く持って試合に入ろうとチームで話しました。スタートのメンバーがまさに体現できていて、代わって入った時にペースを落とさず、アグレッシブにディフェンスから入る時間が多かったです。また、崩れそうになった時間帯にディフェンスで持ちこたえることができたのは、昨日から改善されたところだと思います」

広島との第2戦では、ポイントガードとして長年チームを支えている篠山と同時に投入される機会が多く、「竜青さんにハンドラーとしてコントロールしてもらって、自分がクリエイトしていくスタイルはリズムがつかみやすく、やりやすさも感じます。無得点でしたがドライブで積極的に攻めることができたので、今後はフィニッシュの精度を上げてプレーしたいと思います」と振り返る。

また、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチも納見について「ハンドリング力とシュート力、そこからクリエイトしてパスをさばける力を持っており、そこを見込んで2番で使っています」とお墨付きだ。

川崎納見

「2人に負けないくらいのアグレッシブなプレーでチームに貢献したい 」

先に書いた篠山とのプレーはもちろん、先発ポイントガードとして出場し、昨シーズンのシーズンMVPを受賞した藤井祐眞からも納見は刺激を受けている。「練習中に質問すると真摯に聞いてくれますし、『今のはこうした方が良いよ』とアドバイスをどんどんしてくれます。あのレベルの2人と一緒にできるのは自分の成長のためにも良い財産です。いろいろなものを2人からどんどん盗んで、負けないくらいのアグレッシブなプレーでチームに貢献したいです」

川崎では、篠山と藤井に加え、ジャニングとも納見は出場時間を争うことになる。限られた出場時間の中でのパフォーマンスが、今後のプレータイムに影響を与えると言っても過言ではない。 納見は言う。「新潟にいた時はプレータイムも長く、自分の中でコントロールしていましたが、今は限られた時間の中でどれだけハッスルできるかだと思っています。インテンシティを高く持っていないと試合で使ってもらえません。練習から竜青さんと祐眞さんに対してしっかりプレーすることができれば、試合でも余裕が出てくると思います。そこは練習や試合を問わず、いろいろ学びながらやっていきたいです」

2人の先輩ガードから学びを得て、さらに活躍の場を広げたい納見は、これからの長いシーズンに向けてこう意気込んだ。「少ない時間の中で自分の良さを最大限に出してプレータイムを伸ばしていきたいです。そのためにも、いち早く川崎での環境やシステムに慣れて、お互いを理解してプレーできればいいなと思います」