琉球田代

第1クォーターを22-6と圧倒しての逃げ切り、2桁得点差での連勝スタート

Bリーグ開幕節、琉球ゴールデンキングスは宇都宮ブレックスと対戦し、昨シーズンのファイナルで連敗を喫した因縁の相手に連勝スタートを飾った。1日に行われた第1戦、琉球は序盤から宇都宮を攻守で圧倒し81-52と快勝。そして2日の第2戦も、前日の大敗からカムバックを目指す宇都宮の気迫を出だしから跳ね返し、第1クォーターで22-6といきなりビッグクォーターを作った。最大27点の大量リードを奪う中、宇都宮の3ポイントシュート攻勢に遭って第4クォーター序盤には1桁にまで縮められたが、すぐに盛り返しセーフティリードを常に保つ危なげない展開で85-70と制した。

琉球の桶谷大ヘッドコーチはこのように試合を振り返った。「前半はほぼ完璧に近い形でオフェンスもディフェンスも良かったと思います。後半はディフェンスのところで、3ポイントシュートを連続で決められたりしてリズムがどんどん悪くなってしまった。2つ勝ちながら成長できるのは良いところかと思いますが、後半だけを見ると自分たちのやるべきことができていなかったのでテコ入れをしたいです」

この2試合、強烈な印象を与えたのは琉球のタフなディフェンスだ。比江島慎を中心とした宇都宮のアタックを封じ、タフショットを打たせることで、宇都宮のフィールドゴール成功率を2試合で37.6%に抑えた。

昨年11月6日に負った左膝前十字靭帯断裂、左外側半月板損傷及び左大腿骨外顆骨挫傷の大ケガから復活し、2試合ともに先発出場を果たした琉球の田代直希は、守備について手応えをつかんだ開幕節だったと語る。「ディフェンスで僕たちはリズムを作り、ディフェンスで勝つことを強調していきたい。まずディフェンスから試合に入れて、2つ勝てたことはかなり自信になりました」

さらに田代は「自分がケガをする約1年前から守備の強度はかなり上がっているので、自分も出せるように必死にくらいついている段階です」と、ディフェンス力の向上について続けた。

琉球桶谷HC

指揮官が語る新戦力の効果「オフェンスは中のアタックがしやすくなった」

一方、桶谷ヘッドコーチは、昨シーズンの宇都宮戦がすべてロースコアだったことを踏まえ、オフェンス面での収穫を語った。「昨シーズン、宇都宮に対してレギュラーシーズン、ファイナルと4回戦って80点以上を1回も取れなかったです。2試合続けて80点以上を取れたオフェンスは、これから良くなっていく兆しがありました」

そして要所での活躍など、スタッツ以上の貢献度を見せたジョシュ・ダンカン、松脇圭志の新戦力2人がもたらす効果をこのように評価している。「今日は入ってなかったですが3ポイントシュートがあるので、オフェンスは中のアタックがしやすくなった。(コー)フリッピン、(アレン)ダーラム、ジャック(クーリー)は去年以上にスペースがあるのでファウルをもらいやすくなっています」

「二人ともフィジカルにプレーできるので、ディフェンスで枚数が増えました。比江島君に対して、(今村)佳太がファウルトラブルになっても田代がついて、その後で松脇がつける。去年はこれがなかなかできなかったです。特に宇都宮さんはフィジカルが強い三人がスタートで出てくることもあって削られながらプレーしないといけなかったのをファイナルでつくづく感じました。ペリメーターに関しては松脇一人が入っただけで、チーム力が相当上がったと感じています」

昨シーズンのファイナルの再戦で見事な連勝スタートとなった琉球だが、次節は同じく開幕節で連勝スタートの名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦する。まだ、シーズン序盤戦であるが、西地区の優勝を争うライバルとして連敗は避けたいところだ。桶谷ヘッドコーチは語る。「名古屋Dさんが西で一番のライバルになってくる可能性は高いと思っています。なかなか負けないチームだと思っています。去年もケガ人が多い中、ちゃんとチャンピオンシップに出ておりかなり手強いチームです。齋藤(拓実)君、須田(侑太郎)君、中東(泰斗)君、張本(天傑)君など能力が高いメンバーが揃っています。まず自分たちの成長すべきところを見ながらですが、その中で1つでも名古屋Dさんに勝てたらいいと思います」

10月8日、9日の琉球と名古屋Dの西地区対決は、まだシーズンが始まったばかりとはいえ西地区の勢力争いに少なくない影響を与える可能性がある。開幕節でつかんだ上昇気流をどちらがより大きなものにできるか注目だ。