Bリーグが社員総会で『将来構想』を正式承認、マイナーからメジャーへの挑戦が本格スタート

Bリーグが社員総会で『将来構想』を正式承認、マイナーからメジャーへの挑戦が本格スタート

2022/09/28 19:04

Bリーグは「今もまだまだマイナー」

Bリーグが28日、社員総会を開催し、2026-27シーズンから各クラブの事業規模拡大へ向けての『将来構想』の承認を決議した。同構想については従前からリーグの実行委員会や理事会で各クラブのコンセンサスは得ていたものの、今回の総会での承認をもってリーグは次のフェーズへ向けて正式に歩みを進めることとなる。

上記シーズンからリーグは「新B1」、「新B2」とし実質的にリーグの再編を行う方向だが、新B1においては条件を充足したアリーナの確保や平均入場者数4000人、売上高12億円以上といった審査基準が設定されており、これらをクリアするかしないかで振り分けが決まってくる。これらの基準は事業的なものであることもあって、リーグは定款を変更。これまで「競争力等において最も優位にあるものと理事会が承認したチーム」となっていた項目を「チームの運営能力等を総合的に見る」に変更する。

将来構想の最大のポイントは、当該シーズンより競技成績による昇降格をやめ、ステークホルダーが事業投資を着実に実行できる環境を整備することでリーグとチーム経営のより大きな成長をもたらし、サステイナブルかつメジャーなリーグへと進化を遂げていくことだ。2016−17の幕開けから今シーズンで7シーズン目に入るBリーグは、新型コロナウイルスによる影響はありながらも総じて成長を遂げ、各チームの事業規模は拡大し、ファンの数やメディアへの露出も増えてきた。しかし、国内ではまだプロ野球やJリーグなどと比べると、認知度には開きがある。

総会後に記者会見を行った島田慎二チェアマンは、Bリーグ開始以前から千葉ジェッツの社長等を務め経営者側の立場も経験しているが、同リーグは「今もまだまだマイナー」と危機感を隠さない。「野球、サッカーを捉えると言っていますが、まだまだ(差は)大きいなと思っています。ただ、遠いは遠いんですけど、チャンスはあると思いますし、しっかりビジネスモデルを作ってクラブが成り立って、継続的に持続的なリーグを作っていくっていう意味では、まだまだ捉えるチャンスはあるんじゃないかなと思っています」

彼が強調するのは『地域活性』だ。要件を満たすアリーナの建設やそれらの有効活用のためには自治体とチームの密な協力関係がなければ成立しない。リーグとしてはアリーナ建設で一方的に協力してもらうだけではなく、アリーナを活用しつつバスケットボールの試合ならびにその他のイベント等の開催で地域に経済効果をもたらし、活性化するといった形で貢献することを目指している。島田チェアマンは言う。

「クラブが成長するためにというよりは、クラブが成長しないと地域に還元するエネルギーがそもそも小さい。つまり、地域活性化などとは言いつつ、マイナーではいつまでたっても、『いや、その前に自分たち(クラブ)がちゃんと自分たちで食べられるようにしよう』という話になってしまうと思います」

「本当の意味で強い経営を目指す」ことが成功の鍵

地域への貢献を真に謳うのであれば、まずはクラブこそが成長することで初めてスタートラインに立つことができるといったところだ。島田チェアマンはまた、リーグとクラブは、有力企業等の参入による資本投下といった形だけではなく『本質的な成長』を見据えるべきだと言葉のトーンを強くした。島田チェアマンによればここ数年で、B1からB3までの全54クラブのうち約半数においてM&A(企業の合併買取)によるオーナー変更があったという。それ自体はリーグの価値向上の証左であり、ジャパネットホールディングスが出資して設立されたB3長崎ヴェルカのような有力企業等の参入は『将来構想』に対するリーグの将来に対しての投資であるとも言える。

しかし、プロ、実業団リーグで同じように有力企業による巨額出資がありながら、やがては経営破綻を引き起こし、最悪の場合は廃部となってしまう例は少なくない。島田チェアマンは、Bリーグにおいても有力企業からの出資に頼っているだけでは同じような道をたどるのではないかという「危機感」を抱いていると吐露、「本当の意味で強い経営を目指す」ことこそがリーグが永続的に繁栄していく鍵になると語った。

「本当の意味で自分たちで地域に努力をして、愛されて、価値を上げて、ご支援をいただいて、またそのご支援を投資して、さらに成長していく。本来、一般企業であるべき価値作りからの資金調達だったり、稼ぐということがないと、どこかでやっぱり厳しくなるんじゃないか。厳しくなるだけじゃなく、そもそも投資家からすればずっと(お金を)払い続けなきゃいけないわけで……。でもスポーツだからごまかされてしまう。スポーツはしょうがないね、地域貢献があるからしょうがないねと。世界はそれがスタンダードだと思います。ただ、Bリーグだけは本当の意味で価値を作って、その価値に見合った成長戦略を取り、その価値でオーナーもクラブも地域社会もプレーヤーも、みんながハッピーになるような状況を目指すべきなんです」

新B1、新B2への振り分け審査は2022−23シーズンから始まり、翌2023−24シーズン終了後の2024年6月に希望クラブは書類を提出。同年11月には1次審査を通過したクラブの発表が行われる予定だ。その時点で基準を満たしたチーム数が少なければ、第2次、3次と継続して審査が行われることとなる。Bリーグは世界でNBAに次ぐ第2位のリーグになるという目標があるが、まずは『将来構想』の着実な具現化がそのスタートとなる。

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