フランスに力負けし、自力でのグループリーグ突破の可能性がなくなる
女子ワールドカップ2022、バスケットボール日本代表はグループリーグ4試合目でフランスと対戦。ターンオーバーの多さ、3ポイントシュートの成功率の低さなど、これまでと同じ課題を改善することができずに53-67で敗れた。これで1勝3敗となり、これから行われるオーストラリアvsカナダ戦でオーストラリアが勝利した場合、明日の最終戦を前にグループリーグ敗退が決まる。
この試合、日本は課題のスロースタートを克服できずに第1クォーターで5-16と出遅れてしまう。そこから第2クォーターに盛り返し、第3クォーターも互角の戦いを演じたが、第4クォーターに再びオフェンスが停滞して突き放された。
日本の中心を担う赤穂ひまわりは、9得点5リバウンド3アシスト1スティール1ブロックを記録し、持ち味であるオールラウンダーぶりを発揮して攻守に渡ってチームを支えた。しかし、彼女の奮闘も勝利に直結することはなかった。
「前半はディフェンスから速攻など日本らしいプレーを少しは出せたので昨日よりは良かったです。でも途中からオフェンスリバウンドを取られ、相手のポゼッションが続き、時間を使われた後でシュートを決められてしまう。そこをなかなか改善できなかったことで、ズルズルと行ってしまったことが良くなかったと思います」
こう赤穂は試合を振り返ると、ここ一番でオフェンスが止まってしまった理由をこのように続けた。「ガードの皆さんがプッシュしてくれて速い展開に持っていけたのはいいですが、そこを止められた時にもっと周りが動かないといけない。速い攻めになっている時は自然とみんなが動いて良いプレーができているので、ずっと足を止めないようにしないといけないです」
赤穂も言及しているが、今大会で各チームの日本対策として共通しているのは、日本の高速バスケのエンジンとなるポイントガード陣に激しいプレッシャーをかけ続け、自由にプレーさせないことだ。その結果として、東京五輪のようにガード陣がペイント内に何度も侵入してかき回すことが皆無となった。
相手がポイントガードを潰しに来ていることは当然、日本も分かっている。だが、「いろいろな対策はしていますが、自分たちのやるべきこと、準備してきたことを出せていないのが負けている原因だと思います。ボールを持っている選手がミスをするのも、周りがしっかりサポートできていないから。ボールが孤立しがちなので、そこはよくないです」と赤穂が語るように、アジャストし切れていない。
再び相手の術中にハマり敗れてしまった日本だが、ワールドカップでの試合は最低でもあと1試合が残っている。相手は開催国のオーストラリアで、さらにグループリーグ最終節の最終試合と、完全アウェーでの厳しい状況での戦いとなる。しかし、だからこそこの試合で自分たちのやるべきことを遂行し、結果を残すことができれば大きな自信を得られる。
「明日は勝つしかないです。今日もダメになる時間帯がありましたが、それをなくせるように最初から最後まで動き続ける日本のバスケをしたいと思います」。この赤穂の意気込み通りのバスケットボールを遂行し、日本らしさを存分に発揮してもらいたい。