バスケ女子日本代表、指揮官の恩塚享は次戦に向けてタイムシェアのテコ入れを示唆「結果から逆算した最善の選択をしていく」

バスケ女子日本代表、指揮官の恩塚享は次戦に向けてタイムシェアのテコ入れを示唆「結果から逆算した最善の選択をしていく」

2022/09/24 16:15
恩塚享

「ペイントに入る回数や頻度はむしろ東京オリンピックより多いです」

女子ワールドカップ2022、大会3日目は日本を含むグループリーグBの休息日となっている。シュート練習の終了後、恩塚享ヘッドコーチがメディア取材に応じ、直近の2試合について振り返った。日本は初戦のマリ戦を89-56と快勝したが、昨日のセルビア戦で64-69と競り負け、1勝1敗となっている。

まず、セルビア戦については「守備のローテーションの最後におけるシュートコンテストが甘かったと思います」と反省点を挙げる。「(相手オフェンスのショットクロックが)残り6秒以下でシュートを放つレイトクロックの状況で15点取られてしまいました。これはシュートコンテントに加え、ピック&ロールのディフェンスで最後のコミュニケーションがうまく取れていなかったことでローテーションが上手く機能しなかった結果です」

また、オフェンスにおいてはキックアウトがうまく出せなかったことに加え、ゴール下のレイアップを決め切れないなどペイントアタックの精度が低かった点は次のように見ている。「私たちは速いので100%のスピードでなく、80%で動いて周りを見ながらプレーできる。そういうスピードのコントロールをしたアタックができたら良い判断、良いシュートに繋がっていくと思います。それができなかったのは気合いが空回りしたとかではなく、『私が何とかしたい』という使命感によるもので、そういうところをコントロールしてあげられたらよかったと反省しています」

快勝したマリ戦を含めた2試合、日本は特に出だしでシュートが決まらずに苦しんでいる。これから続くカナダ、フランス、オーストラリアという難敵を相手に再び出遅れてしまうと、致命傷になりかねないため改善が急務だ。このスロースタートの原因はどこにあるのか。シュートセレクション自体は良いけど入らないのか、セレクション自体に問題があるのか。この問いに対し、指揮官は「そこはフィフティーフィフティーなんです」と答える。

「私たちのシュートのシーンをすべて見返しました。昨日の試合、3ポイントシュートばっかりになってしまった印象があるかもしれないですが、ペイントに入る回数や頻度はむしろ東京オリンピックより多いです。(昨日の3ポイントシュートは22本中5本成功だが)良いタイミングで打っているシュートが12、13本はありました。それが来なかったので成功率は25%以下でしたが、自信を失わずにしっかり打ち続けて行く。逆に言うと、これだけシュートが入ってなくても5点差であり、6秒以下のところを守り切っていればチャンスがあったよねと。タラレバではないですけど、そういう視点で信じるものを持って戦いたいなと思います」

恩塚享

「調子の良い選手を長く走らせるのは必要だと思っています」

このような攻守の改善点に加え、恩塚ヘッドコーチはプレータイムのシェアについてもテコ入れを示唆している。ここまでは11人、もしくは12人のローテーションを行ってきた。常にフレッシュな選手がコートに立つことでプレーの強度を保てる利点はあるが、調子の良い選手も頻繁に変えることで、うまく流れに乗れないマイナス面もあり、セルビア戦ではそれが目立った。

指揮官はこう語る。「そこも考えているところです。タイムシェアはしますけど、調子が良い選手を長く走らせることは必要だと思っています。その話も選手たちにしています。今までよりもプレータイムが少なくなってしまう時もあると思うけど、それはあなたが良くないのではなく、良い人を今は走らせているという気持ちでバトンを繋いでいけたらと思います。だから、ちょっと起用法は変わります」

今の日本が目指すスタイルでは、プレータイムをできるだけ均等にするのが理想ではあるが、当然のように勝つためには優先すべきものもある。「やっぱり人間なので良い時も良くない時もあります。それに対して勝利から逆算した時に、理想を追い続けたけど結果が出ませんでは本末転倒です。結果から逆算して最善の選択をしていくように今は考えています」

次戦からはプレータイムに偏りが出てくるだろうが、それでもチーム全員で戦っていくスタイルに変わりはないし、そうでないと日本は勝ち進んでいけない。だからこそ「選手一人ひとりが例え1プレーだったとしてもベストを尽くすようにしていきたい」と指揮官は強調し、昨日の最後のプレーについて言及した。

「昨日の試合でも、セルビアが得失点を考えて残り数秒の中で点を取りに来た時、メンバーチェンジをした渡嘉敷選手がブロックをしてくれました。ああいうプレーを大切にしようと。今までは2分、3分毎に交代しバトンを繋ぐという話でしたが、そうではなくなり数秒、1プレーであったとしてもチームのバトンを握って戦っていることを彼女は示してくれました。そういうマインドでこれから戦いたいなと思います」

真剣勝負を経験したことで分かるもの、得られるものは多くある。この貴重な経験によって得た教訓を生かし、日本代表がどんなアジャストをしてくるのか。明日のカナダ戦、恩塚ヘッドコーチの采配も要チェックだ。

RECOMMEND