フランツ・ワグナー

ノビツキーを擁した2005年以来となるメダル獲得

スペインの優勝で幕を閉じたユーロバスケット2022において、大きな躍進を果たしたのが銅メダルを獲得した開催国ドイツだった。大会初戦でいきなり難敵フランスを撃破して勢いに乗ると、グループリーグを4勝1敗で通過。決勝トーナメントでもベスト8で、ヤニス・アデトクンボを擁するギリシャを107-96で下すなど旋風を巻き起こし、ドイツ史上最高の選手、ダーク・ノビツキーを中心とした2005年大会の銀メダル以来となるメダル獲得を果たした。

今大会でデニス・シュルーダーとともにチームを牽引したのが208cmの大型ガードである21歳のフランツ・ワグナーだ。ワグナーは9試合に出場して、平均15.2得点、4.0リバウンド、3ポイントシュート成功率46.3%を記録した。ドイツの次代を担うワグナーは、『eurohoops.net』にて大会をこう振り返った。

「母国で銅メダルを取ることができて本当に素晴らしい気持ちだよ。僕は会場があるベルリン出身だから、より特別なものがある。最も良かった点は、長年に渡ってこの大会に向けて努力をしてきた選手たちに報いることができたということ」

そして「このチームを基に発展させていきたい」と意気込みを続けた。「最も重要なのはみんなが健康かつ、代表でプレーしたいと思い続けてくれること。この勢いを少しでも持続させていきたい」

2021年NBAドラフト全体8位指名でマジックに入団したワグナーは、ルーキーの昨シーズンに79試合出場で平均15.2得点、4.5リバウンドを記録。新シーズンでは、今年のドラフト全体1位指名であるパオロ・バンケロとともに若返りを図ったチームの中心として期待されている。

激闘のユーロバスケットを終え、身体をじっくり休める間もなくNBAのシーズン開幕を迎えるだけにコンディションの不安はあるが、本人は特に気にしていない模様だ。「ユーロバスケット2022の後で僕が良いプレーをできるかって? 自分にとって初めての経験だから、どうなるか見てみようよ」

ユーロバスケットで成長を遂げたワグナーはNBAの舞台でさらなる進化を遂げていくのか。新シーズンにおける注目の若手の一人として、バンケロとのコンビは見逃せない。