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オフの間も早朝から厳しいトレーニングを続けていた

今シーズン開幕から8試合で30得点以上を記録しているラプターズのデマー・デローザン。得点ランキングで現在リーグ首位を走るデローザンは、オフの間から肉体改造に取り組んでいた。

『Toronto Sun』によれば、リオ五輪期間中も個人トレーナー2名を同行させ、朝の5時30分からトレーニングしていたという。

「今年の夏は楽しいことがなかった」と『Toronto Sun』に不平を漏らしたデローザンだが、「体重は増やしたくなかったし、大きくしたいとも思わなかったけど、身体を強くしたかった」と、引き締まった身体を維持しながら筋量増加に励んだ。

体重は一時103キロを超えたが、重いと感じて99キロにまで減量。ウェイトトレーニングだけでは理想的なボディを作ることができないと、今年はプールでのエクセサイズもルーティーンに加えたという。

「毎朝、何かしら運動していたよ。ウェイトトレーニングの日でなくとも、プールで水の抵抗を受けながら1時間半くらいのメニューをこなしていた」

昨シーズンの平均23.5得点からの大幅な得点力アップについて、デローザンは、相手の接触を受けながらも姿勢を崩すことなく点が取れるようになったと言う。

「何があってもシュートを決める、レイアップを成功させるということを意識している。相手との接触で自分のペースを遅くしたくはないし、やりたいプレーを邪魔されたくもない。そういう意識を夏のトレーニングからずっと持って取り組んできたんだ。プールでの練習もそう。自分を追い込んでフィニッシュさせないといけない。そういう意識がコートでも生きているんだと思う」

五輪期間中の早朝トレーニングは、違った面でもデローザンにメリットを与えた。代表の練習は午前11時の映像分析から始まっていたが、その時点に個人練習を終えていたデローザンは、NBAを代表する残りの代表11選手それぞれの練習を観察する機会を得た。代表メンバーから盗んだ手法の効果もプラスされ、いまでは1試合平均34得点の選手に成長した。

最近の試合での感覚を、デローザンはこう説明している。

「真っ暗にした状態で自宅にいる感じかな。電気を全部消しても、どこに何があるか把握できている。どこがダイニングルームで、どこに階段があるのか分かっている、みたいな。試合終盤の展開では、そういう感覚があるんだ。慣れた状況で、不安を感じることなくプレーできている」

デローザンが牽引するラプターズは開幕から7勝3敗と好スタートを切った。クラブ史上初となるカンファレンス決勝進出を果たした昨シーズンの良い流れを引き継ぎつつ、進化を遂げたデローザンの大活躍も加わり、チームは飛躍の時を迎えている。