「ワクワクバスケットを仙台でも出すことができたら」
バスケットボール女子日本代表は8月11日、12日とラトビア代表を迎えての強化試合を行う。この2試合の大きなテーマとなるのはここまで積み上げてきた自分たちのプレーをどこまで発揮できるかに加え、9月下旬に開催される女子ワールドカップ2022の代表12名入りをかけた選考争いだ。
現在、15名で強化合宿を行っている代表だが、恩塚享ヘッドコーチはこのメンバーに加え現在、WNBAでプレーしている町田瑠唯も候補に入っていると明かしている。そうなると最も熾烈な選考レースとなっているのがポイントガードだ。
ポジションのバランスを考えればポイントガードは3枠が予想され、それを東京五輪代表の町田、本橋菜子に宮崎早織、五輪後に大きな躍進を遂げている安間志織、山本麻衣の5人で争う構図だ。誰が先発の司令塔を務めてもおかしくない実力伯仲の争いとなっている中、当事者の一人である宮崎は、次のように率直な思いを明かす。
「合宿では毎日本当に苦しいですけど、やっぱり高め合える、切磋琢磨できるというのは本当に自分にプラスになると思います。自分の調子が悪くても他の選手の調子が良ければチームは良い方向に行くと思っているので、なるべく人と比べないようにしています。自分と誰かを比べてしまうと選考期間は本当にしんどくなってしまうので、他の選手が良いプレーをした時には自分も喜んで、他の選手の良い部分を吸収できるようにという気持ちで頑張ってやっています」
恩塚ヘッドコーチの下、宮崎は東京五輪の直後に行われ、若手メンバーで臨んだアジアカップ2021において中心選手として躍動。決勝の中国戦では26得点11アシスト7リバウンドと圧巻のパフオーマンスで5連覇の立役者となった。
その後、代表に呼ばれ続け確固たる地位を築きつつある宮崎だが、一方で2月のワールドカップ最終予選で大きなインパクトを残したのは山本で、6月のトルコとの強化試合では安間のゲームメイクが光った。「瞬間的な突破力では、他の選手を寄せ付けないものがあります。特にオフェンスで起爆剤として貢献してくれます」と、指揮官も評価するが、アジアカップと比較すると、その持ち味を存分に発揮しているとは言い難い状況が続いている。だからこそ今回のラトビア戦でどんなプレーを見せられるかは、宮崎にとってサバイバルレースに生き残るために大きな意味を持ってくるはずだ。
「久しぶりでもないですが、海外のチームとの試合で、すごく大きい選手がいると聞いています。今まで練習してきたフィニッシュのドリルを成功させたり、その経験を生かせる良い大会になると思っているので、自分達の持ち味のワクワクバスケットを仙台でも出したいです」
こう意気込みを語る宮崎だが、見る者をワクワクさせる日本らしいバスケットには彼女がコート上で縦横無尽に駆け回る姿も重要なピースとなる。アジアカップの時のようなきらめきを見せられるか注目だ。