カーメロ・アンソニー

レイカーズとの契約は満了、自分を奮い立たせてくれるオファーを待つ

カーメロ・アンソニーはNBAキャリア20年目を迎えようとしているが、まだ所属クラブがない。トレイルブレイザーズでの復活を経て、昨シーズンはレイカーズでプレーしたが、契約は1年限りで切れている。ブレイザーズでの2年目からベンチスタートでの役割を受け入れ、セカンドユニットの得点を担うようになった彼は、一昨シーズンに40.9%、昨シーズンに37.5%で3ポイントシュートを決めており、38歳になった今も勝負強さは健在だ。

レブロン・ジェームズとは強い絆で結ばれており、レイカーズで再び共闘する可能性はある。ただ、これだけスキルがあり、チームのために犠牲にすることを覚え、ベテランミニマムの年俸で働いてくれる戦力に注目するクラブは他にもあるはずだ。

例えばジェームズ・ハーデンとジョエル・エンビードのデュオで優勝を狙うセブンティシクサーズは、ベンチの層が薄い。昨シーズンに平均13.3得点を挙げたカーメロであれば、セカンドユニットのファーストオプションになれる。

優勝候補に定着したサンズも、カーメロが加入すれば機能すると思われるチームだ。クリス・ポールとディアンドレ・エイトンのピック&ロールに対処する相手ディフェンスが、カーメロの動きまで追うのは簡単ではない。カーメロが注意を引き付けることでポールやデビン・ブッカーはよりプレーしやすくなる。

かつて『チームの顔』だったニックスとの契約もあるかもしれない。ジュリアス・ランドルを新たなリーダーとして若いチームは成長しているが、まだプレーオフに進出できるかどうかのレベルで、優勝候補ではない。大都市ニューヨークのメディアとファンを知り尽くしているカーメロは、コート内外でチームに足りない経験を補うことができる。

自分のやる気を奮い立たせてくれるようなオファーがなければ、カーメロは現役引退を選ぶかもしれない。だが先日、彼はSNSを更新し、次のようなメッセージを投稿している。

「快適さは麻薬だ。慣れてしまうと中毒になる。快適な場所は夢の行き着くところ、そして死ぬところだ」

昨シーズンのカーメロはまずまずの活躍を見せたが、レイカーズはプレーオフ進出すら逃す大失敗に終わった。このままキャリアを終えるつもりはないだろう。いずれ殿堂入りするであろうカーメロにとって、今はまだ『快適な場所』に腰を下ろす時ではない。