千葉ジェッツ

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

富樫が流れを変え、小野がとどめを指す

千葉ジェッツがホームの船橋アリーナに新潟アルビレックスBBを迎えた第1戦。ともに3連勝と調子の良いチーム同士の戦いとなったが、早い段階で主力を戻して悪い流れを払拭した千葉が、両チーム合わせて188点のハイスコアゲームを制した。

序盤から互いの強みを生かした点の取り合いとなる。新潟は得点ランキング2位のダバンテ・ガードナーを中心にハーフコートバスケットを展開し、柏木真介が積極的にシュートを沈めていく。それでも千葉は、この日絶好調の小野龍猛が3本の3ポイントシュート含む5本すべてのシュートを成功させ14得点を挙げるなど、25-19とリードした。

第2クォーターに入り、新潟はハーフコートバスケを貫き、インサイドアウトから3ポイントシュートを沈めるなど得意の形が出て一時同点に追いつく。だがこのクォーターを任された西村文男が軽快にパスを散らしつつ、テンポを上げ速攻を操り千葉にリズムをもたらした。すると西村と石井講祐がコートにダイブしマイボールにするなど、ディフェンスも活性化。西村は自らもピック&ロールからシュートを沈めていき、このクォーターだけで10得点を記録するなど、千葉がリードを2桁に乗せて前半を終えた。

後半は互いに外からのシュートが決まらず、インサイドの得点が増える重い展開となり、2桁前後の点差のまま試合は推移した。だが第4クォーター序盤、新潟は千葉がセカンドユニットの時間帯に個の力で襲い掛かる。ラモント・ハミルトンの3点プレーとなるバスケット・カウント、ガードナーのポストプレーなど9連続得点により、2点差まで詰め寄った。

追い詰められた千葉は開始約2分で先発メンバーに戻す。「もう少し我慢しようと思ったんですけど、流れが悪すぎたので。自分たちが意図していないシュート、ディフェンスができていないと判断して代えました」と大野篤史ヘッドコーチが説明したこの判断がチームを立て直した。

ディフェンスで我慢し、富樫が速攻と2本の3ポイントシュートで9連続得点を挙げ悪い流れを断ち切る。新潟の強力インサイド陣に得点されるもマイケル・パーカーとギャビン・エドワーズはタフショットを打たせ続け、連続得点を許さなかった。互いにオフェンスがディフェンスを上回る展開が続いたが、千葉が小野の連続3ポイントシュートでリードを広げ、残り1分のパーカーのミドルシュートで9点差としたところで勝負アリ。千葉が最終スコア98-90の乱打戦を制した。

千葉ジェッツ

大野コーチ「勝ち切ったことを評価したい」

勝利した千葉の大野ヘッドコーチは「練習が1回しかできなかったので、コミュニケーションミスが多くあり、ディフェンスの浸透度合いが少なかった」と90失点のディフェンスについて言及した。それでもリーグトップクラスのオフェンス力を誇る新潟との打ち合いに「勝ち切ったことを評価したい」と話した。

一方敗れた新潟の庄司和広ヘッドコーチは「準備してきた部分がうまくいったこと、うまくいかなかったことはあるが、その中でも千葉さんを相手に戦えたことはこれからの自信につながる」と前を向いた。「小野選手や西村選手、もちろん富樫選手など、日本人選手が非常に得点力があって、そこは他のチームにはないものです。そこに対してチャンレンジしていきたい」と明日への抱負を語った。

また庄司コーチは「タイムシェアができなかったのが問題で、それは自分の責任」と語る。新潟では五十嵐圭、ハミルトン、ガードナーの3人が35分を超えるプレータイムとなったが、千葉も先発メンバーに戻すタイミングが早くなったことで、パーカー、エドワーズ、小野のプレータイムが30分を超えた。互いに主力の負担が大きくなり、明日の第2戦はベンチワークが勝敗のカギを握りそうだ。