「なんとしても絶対に代表に入って『俺が活躍するんだ』という気持ちはない」
バスケットボール男子日本代表は、7月1日から始まる『ワールドカップ2023アジア地区予選』のWindow3に向けて、直前合宿を行なっている。オーストラリア戦とチャイニーズ・タイペイ戦に挑むエントリーメンバー12名は、予備登録を含めた24選手の中から決まる。
指揮を執るトム・ホーバスは、女子日本代表を率いていた時と同様に、合宿には多くの選手を呼び、トライアル方式で合宿を行なっている。今シーズンのBリーグMVPを受賞した藤井祐眞も、ホーバス体制になってから日本代表に戻ってきたうちの一人だ。
しかし、ホーバス体制になってから毎回呼ばれているわけではない。藤井は昨年11月下旬に行われた中国代表とのWindow1には出場したが、2月に沖縄アリーナで行われたチャイニーズ・タイペイとオーストラリアとのWindow2には呼ばれなかった。
そのため昨年のWindow1ぶりの代表招集となったが、藤井は「トムさんは『いろいろな選手を試したい』、『いろいろな選手を見てやりたい』とずっと言っています」と指揮官の方針を理解し、代表合宿に挑んでいる。「僕もWindow1に入った時は試合の中で、できる限り自分をアピールできればと思ってプレーしていました。Window2は選ばれませんでしたが、その時にこういうメンバーを見たいというトムさんの考えがあると思うので、それをしっかりと受け入れて、理解してやっていたので、特に悔しさとかはありませんでした」
こう語った藤井は、あらためて代表への思いを語った。「選ばれたらしっかり自分のパフォーマンスをして、日本のために貢献したい気持ちはあります」としつつも、現在30歳で、来シーズンでプロキャリア9年目を迎える彼は、「ただ、なんとしても絶対に代表に入って『俺が活躍するんだ』という気持ちはない。選ばれたらしっかり自分のパフォーマンスをして、貢献したいです」と続けた。
そんな藤井の持ち味と言えば、攻守ともに常に全力全開でのアグレッシブなプレーだ。藤井は「トムさんは代表でも川崎の時と同じぐらいガンガンやってほしいと思っていると思います」と、自身に求められていることを明かす。それでも「メンバーも初めての選手がいたり、探り探りの部分があるので、まだ自分を出せていない」と現状を語った。
しかし、先にも触れたように「選ばれたらしっかり自分のパフォーマンスをして、日本のために貢献したい」というブレない軸がある藤井は、Window3に向けて、こう意気込んだ。
「もし選ばれたとしても、どういうタイミング、どういう状況で出るか分かりません。でも、試合をしっかり見ながら、数年前はシックスマンとして川崎でやっていたので、控えだとしても川崎の時のように、ディフェンスで相手を苦しめて、ゲームの流れを変えることを意識したいです」