文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

激しくプレッシャーをかけ、横浜にインサイドで起点を作らせず

昨日の激戦から一夜明け、迎えた『神奈川ダービー』の第2ラウンド。川崎ブレイブサンダースが旧NBLを制したディフェンス力を遺憾なく発揮し、横浜ビー・コルセアーズをシャットアウト。オフェンスでは武器であるインサイドと3ポイントシュートががっちり噛み合い、前半で勝負を決めた。

川崎は序盤からアグレッシブなディフェンスで横浜に襲いかかった。激しいのプレッシャーとトラップディフェンスにより前半だけで11ものターンオーバーを誘発。ディフェンスから主導権を握ると、連動したオフェンスでも横浜を圧倒する。ニック・ファジーカス、ライアン・スパングラーの強力インサイド陣は第1クォーターだけでそれぞれ10得点を記録。辻直人もノールックパスからのアシスト、2本の3ポイントシュートを沈め点差を広げていく。

33-13とリードして迎えた第2クォーター、ディフェンスに定評のある藤井祐眞が超アグレッシブなプレーを見せ、それに引っ張られるようにチーム全体のプレッシャーが増す。後手に回った横浜はインサイドに起点を作れず、パスがアウトサイド一辺倒に。しかもパスの終着地はエースの川村卓也になっていて、「対応しやすかった」と川崎の北卓也ヘッドコーチは試合後に明かしている。

横浜はペースを変えるべくゾーンディフェンスを敷くが、川崎はこれに難なく対応する。素早いパス回しでノーマークを作り、ゾーンの弱点である3ポイントシュートを確実に沈めていった。中でもベンチから登場した栗原貴宏がこのクォーターだけで3本の3ポイントシュートを沈める活躍ぶり。前半を終えて54-19と、勝負をほぼ決定付けた。

後半にオフェンスが機能した横浜だが、大差を詰められず

後半に入ると、これまで停滞気味であった横浜のオフェンスに変化が見られた。インサイド、アウトサイドにバランス良くボールを散らし、積極的にシュートを放ち始めた。川村の3ポイントシュート、細谷将司のジャンプショットなどでリズムに乗り、速攻からジェイソン・ウォッシュバーンのダンクが飛び出すなど、前半とは見違えた動きを見せる。

それでも川崎は栗原の5本を筆頭に、16本の3ポイントシュートを66%という驚異的な確率で沈め、横浜に付け入る隙を与えず、95-59で勝利した。

横浜の青木勇人ヘッドコーチは「前半はカウンターから得点を許して意気消沈してしまい、オフェンス、ディフェンス両方に響いてしまった」と受身に回ったことを敗因に上げた。

横浜はこれで5勝9敗。奇妙なことにアウェーゲームで5勝3敗と勝ち越しているにもかかわらず、横浜文化体育館で2試合、横浜国際プールで4試合を戦っているホームゲームでは全敗している。ホーム初勝利をなかなか手にできないが、今日も3600人を超える多くの観客が会場に足を運んだ。点差が離れてもあきらめることなく、選手たちの一挙手一投足に注目し、良いプレーに歓喜するブースターがいたからこそ、選手たちも最後まで戦えたのだろう。

次節の11月19日、20日も横浜国際プールに富山グラウジーズを迎える。ただひたむきに戦う現状からステップアップし、ホーム初勝利で横浜ブースターの熱気に報いてもらいたいものだ。