「オールスター、優勝、あらゆることが継続性の上に成り立っている」
昨年のオフにデマー・デローザンがブルズと契約すると、周囲からは「フィットしない」という批判が相次いだ。しかし、2021-22シーズンのブルズは開幕ダッシュに成功し、前半戦は東カンファレンス首位を争う躍進を遂げた。そのチームの中心にいたのが、76試合に出場して平均27.9得点、5.2リバウンド、4.9アシストを記録したデローザンだった。
ブルズは最終的に東の6位で5年ぶりのプレーオフ進出を果たすも、ファーストラウンドでディフェンディング王者のバックスに敗れた。しかしデローザンは、ザック・ラビーン、ニコラ・ブーチェビッチ、ロンゾ・ボール、アレックス・カルーソが中心のチーム力を信じ、来シーズンのさらなる成長を確信している。
シーズン最後の会見で、デローザンは「プレーオフで勝ち上がるチームも優勝するチームも、継続性が重要。そこからすべてが始まる」と語った。
束の間のオフを挟み、デローザンは地元ロサンゼルスでオフのトレーニングを始める。彼が「地獄の特訓」と形容するトレーニングには、来シーズンが3年目のパトリック・ウィリアムズの参加が決まっているという。「ウチの選手とロサンゼルスで一緒に練習しようと思っている。自分に課しているオフシーズンの地獄のトレーニングを体感してもらうよ。特にパットにね。彼とはロサンゼルスで一緒に過ごして、朝の4時に叩き起こして一緒に練習したい。他にも参加したいウチの選手と一緒に、来シーズンに向けたトレーニングをして過ごす予定だよ」
「適切なメンタリティを備えることが肝心」と言うデローザンは、オフの猛練習の重要性を、コービー・ブライアントから教わったと言う。「NBAキャリアの浅い時期にコービーから教わった。それをチームメートと共有したい」
今年の夏に33歳になるデローザンは、オフのトレーニングが年間82試合という長丁場を戦う上で必要な基礎になるとも続けた。「昔は『どうして20試合を過ぎると身体に疲労が溜まっていくのだろう?』と不思議だった。当時は移動しながら20試合でプレーするというスケジュールにまだ慣れていなかったからね。今は60試合を過ぎると疲れが出てくる。つまり、NBAのシーズンがどれだけ過酷なものなのかを理解しないといけない。だからこそ、夏の練習はシーズン時期の2倍は辛いものにする必要がある。それを3年目を迎える時期に理解した。2年目を終えた頃には、周りから何を期待されるかも分かってくる。身体の強さだったり、移動に関しても理解が深まる」
「3年目にもなれば、自分の長短所も分かって、チェックリストを作るようになった。たったひと夏ですべての項目を埋められるわけではないけど、上達するために努力を続けることで、キャリアを重ねていくうちにより完成された選手に成長していく。オールスター、優勝、あらゆることが継続性の上に成り立っているんだ」