「苦労しましたが、この2試合に勝ち切れたことは大きい」
10月7日、アルバルク東京はサンロッカーズ渋谷に87-79で勝利し、開幕節を連勝スタートで飾った。この試合は序盤からともに譲らず、第4クォーター残り約6分で70−70と一進一退の激戦となるも、A東京はここからの約4分間で11連続得点を挙げて粘るSR渋谷を振り切った。そして、この勝敗を分けた場面で光る活躍を披露したのが馬場雄大だった。
残り約3分半、馬場はリードを9点に広げる値千金の3ポイントシュートを沈めると、その後のSR渋谷のオフェンスにおいて2回連続でディフェンスリバウンドを奪取。残り約2分にはアレックス・カークとのピック&ロールで、外に開いたカークにパスを共有。これをカークが決めたことでリードは2桁にまで開き、勝負ありとなった。
この試合、馬場は左ハムストリングを負傷した田中大貴に代わって先発に起用されたが、第2クォーターだけで個人ファウル3つ。さらに第3クォーター早々にもファウルをしてしまい、ベンチに下がらざるを得なかった。
しかし、あと1つでファウルアウトとなる難しい状況において、第4クォーター残り7分19秒から再び投入されると、ここから冒頭での活躍を含む4得点6リバウンド1アシストとオールラウンドな活躍を見せた。
「苦労しましたが、この2試合に勝ち切れたことは大きいです。ファウルで狂わされたところがあって、もうちょっとアグレッシブにプレーできたと思います。最後まで集中力を切らさずにできて良かったです。第3クォーターの終わりから第4クォーターの最初と厳しい時間帯に、自分がコート上にいないことに責任は感じていました。でも最後にプレータイムはもらえると思っていたので、そこでいかにコートリーダーとして動くかを意識していました」
「一喜一憂していたら甘さが出る」
このように総括する馬場だが、彼の大きな武器は抜群の身体能力を生かしたゴール下へのドライブ。しかし、冒頭で触れたように勝負を決めた場面では、ドライブを潰しに来る相手の意図を的確に読んでの見事な3ポイントシュートにアシストと、優れた洞察力を披露した。あの場面を馬場は次のように振り返る。
「第3クォーターの最初にドライブで行った決まった後、相手が警戒するようになったと思いました(カークとのピック&ロールでカークについている)サクレ選手が僕のドライブを警戒して、アウトサイドへと上がって行かずに残る時間が長くなっていたので、アレックス選手のアウトサイドシュートを使う。そこはアジャストできたと思います」
プロ2年目の今シーズン、馬場はリーグ随一のタレント集団であるA東京においても欠かせない存在となることを目指す。「個人としてもさらに上へ、数字の部分でも結果を残す。コンスタントに結果を残すことで毎試合、『ここは馬場で攻める』とルカコーチに絶対的な信頼を置いてもらうことが目標です」
だからこそ、「この2試合の内容は良しとしても、振り返っている暇はないです。1試合1試合、一喜一憂していたら気持ち的にも甘さが出てきます」と自らを厳しく律する。そして「日本代表が結果を残してきている中、日本にいる選手がもっと個々を強く出して戦う必要があると思っています」と言い、渡邊雄太、八村塁とアメリカで躍動する同世代の逸材たちへのライバル心を見せる。
これからA東京は、今週末には敵地に乗り込みシーホース三河、平日開催の17日にはホームで栃木ブレックス、その週末にはホームで川崎ブレイブサンダースとタフな相手との試合が続く。ここでエースの田中大貴が出場できるかは不透明であり、馬場がここ一番の勝負どころを託される状況は、早くも到来することになりそうだ。
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