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コリンズが欠場でヤングの個人技がホークスの生命線に

43勝39敗と好成績ながら9位と10位になるとは、これまでの東カンファレンスでは考えられないことでした。それでも、若いチームながら昨シーズンにカンファレンスファイナルまで進んだホークスにとっては不甲斐ない順位であり、順調に成長したホーネッツにとっては不運な順位だったかもしれません。プレーオフに進むためには2連勝が必要なだけに、初戦に快勝して勢いをつけたいところです。

リーグのトップチームに躍り出ることも期待されたホークスですが、開幕から集中力を欠いたプレーが続き、特にディフェンス面でディティールの粗さが目立ちました。プレーオフで最大限に高まった緊張感が一気に緩んでしまったのか、なかなか調子が上がらずシーズンの大半で勝率5割を下回っていました。

それでも4年目のスーパースターのトレイ・ヤングは4月の5試合で平均31.0点、11.0アシストと明確にギアを上げ、最後にチームを引き上げました。大舞台での勝負強さは、既にプレーオフで証明しており、ホークスの王様として試合を支配していきます。ただ、相棒のジョン・コリンズは欠場が濃厚で、華麗で豪快なコンビプレーが減っており、ヤングの個人技がホークスの生命線になっています。

スモールラインナップを多用するホーネッツにとって、ヤングからコリンズへのアリウープパスの脅威が減ることはアドバンテージにもなります。走れるウイングを多く揃え、ハイプレッシャーとトランジションアタックを得意とするだけに、積極的なダブルチームでヤングに襲い掛かり、ミスを促して自分たちのペースに引きずり込みたいところでしょう。

チーム得点王に成長したウイングのマイルズ・ブリッジスに、平均20点を超えた2年目のラメロ・ボール、勝負強いテリー・ロジアーとどこからでも点が取れるのがホーネッツの強みです。2年前にはリーグ最下位だった得点は、一貫したコンセプトのもとで精度を高めていき、今シーズンはリーグ4位の115.3点まで上がってきました。その一方でゲームコントロールは苦手で、リードを得てもスローダウンすることなく、パターン豊富なオフェンスで最後まで打ち勝つことを目指します。

ヤングの支配力が勝つか、それともホーネッツの積極性が勝つのか。お互いに止めるべきポイントは理解しているものの、相手の良さを消すよりも自分たちの強みを出すことを優先してくるでしょう。オフェンス力の高い両チームだけに、どちらかに針が触れた瞬間に一気に得点ラッシュが生まれ、セーフティリードが存在しない派手な打ち合いになりそうです。