トラップ&3ポイントシュートで終盤にドラマ
川崎ブレイブサンダースvs秋田ノーザンハピネッツの第2戦は最後まで勝負がどちらに転ぶか分からない熱戦となった。
序盤にペースを握ったのはニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒース、マット・ジャニングのビッグラインナップが機能した川崎。ピック&ロールでズレを作りスイッチを強要させ、必ずできるミスマッチを起点に得点を重ねた。開始3分半、アーリーオフェンスから藤井祐眞がコーナースリーを沈め、13-5としたところで秋田はタイムアウトを要請した。
その後も川崎のペースで時間が進んだが、残り3分を切った場面で王偉嘉を投入し、スモールラインナップにした秋田が反撃。機動力を生かしたダブルチームなどで高さの不利を埋めると、オフェンスもパスが良く回るようになり、田口成浩の5連続得点で追い上げた。
5点ビハインドで第2クォーターをスタートした秋田だったが、リングへのアタックを増やしたことで試合をひっくり返す。長谷川暢がボールプッシュからそのままフィニッシュまで持ち込み、田口もオフボールスクリーンからドライブでスコア。内外のバランスが良くなった秋田はタッチが好調な田口が2本の3ポイントシュートを沈め、開始2分半で逆転に成功した。
その後、川崎は藤井が3ポイントシュートファウルを獲得し、3本すべてのフリースローを成功させて悪い流れを止めると、さらに3ポイントシュートも沈める。個で打開した川崎が再び逆転したが、連携プレーが冴え、アレックス・デイビスの3点プレーで締めた秋田が同点に追いついて前半を終えた。
拮抗した展開となったが、後半に試合が動く。秋田は前半で17本中7本成功と当たっていた3ポイントシュートが連続で外れ得点が伸び悩む。一方の川崎は前半に放った3本の3ポイントシュートをすべて外していたジャニングがこのクォーターで3本すべての3ポイントシュートを沈める。さらに前半の好調さを持続させた藤井が速攻に3点プレーと追い打ち。ディフェンスの強度も増し、第2クォーターに割られた縦への突破を許さず、タフなシュートを打たせ続け、川崎が25-13のビッグクォーターを作った。
その後も攻守が噛み合った川崎が主導権を握る。1対1のディフェンスで抜かれず、スクリーンをヒットさせられても素早いローテーションでズレを作らせない。攻めては藤井が巧みなゲームメークを見せて、有利なマッチアップを次々と作り出していった。6-0と走り、秋田にタイムアウトを取らせた直後にはパスカットからジャニングの3ポイントシュートに繋げるなど、開始1分半でこの試合最大となる19点までリードを広げた。
これで試合は決まったかに思われたが、ここから秋田が怒涛の追い上げを見せる。グリンと川嶋勇人の3ポイントシュートで粘ると、オフィシャルタイムアウト明けにはトラップを仕掛け、連続スティールから中山の速攻、王偉嘉のゴール下に繋げた。ミスマッチを突かれても中山や古川孝敏がフィジカルを生かしてギリギリで失点を防ぎ、そこからアップテンポな展開に持ち込むことでリズムが生まれていく。そして残り2分、グリンが連続で3ポイントシュートを沈めて、6点差にまで迫った。
残り53秒に藤井にドライブを決められ、3ポゼッション差とされたが、なおも秋田はあきらめない。時間をかけずに古川とデイビスが3ポイントシュートを沈めると、残り4秒に中山がドライブから得点し1点差にしてファウルゲームに持ち込んだ。ここまで6本すべてのフリースローを成功させている藤井にファウルをするしかなかったが、ここで藤井は1本目を落としてしまう。2本目は成功させたが、逆転のチャンスを残してしまった。
タイムアウトが残っていない秋田は中山にボールを託した。ドリブルでハーフコートまで近づき、タイムアップと同時に放ったロングシュートがリングに吸い込まれ、秋田が87-86の大逆転勝利を収めた。
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