「若いチームメートのために試合に向けた気持ちを作る助けをしていきたい」
滋賀レイクスターズは3月26日、敵地に乗り込んで宇都宮ブレックスと対戦し、65-102の大差で敗れた。第1クォーターで10-24といきなり出遅れると、そのまま宇都宮のペースで試合は進み12連敗を喫してしまっている。
この厳しい内容の中でも、奮闘したのが12得点7アシストのキーファー・ラベナだった。振り返れば第1クォーター、ラベナは前からトラップなど宇都宮の激しいプレッシャーを受けてリズムを崩し、シュートを1本も打てずに0得点、2ターンオーバーに終わったことは、立ち上がりでつまずく大きな要因となった。
一方、この試合で24-26と食い下がった第2クォーターのラベナは7得点3アシスト、ターンオーバーなし。そして10-29と圧倒され、勝負を決められた第3クォーターでは2得点1アシスト1ターンオーバーと、図らずもラベナの影響力の大きさを示す結果となった。
試合の行方に大きな影響を与えたのは出だしで、0-10のランをくらい地力で上回る宇都宮をいきなり勢いに乗せてしまったこと。ラベナはこう反省する。「バスケットボールとは、流れをどう自分たちに持ってくることができるかのスポーツだと思います。その意味では試合の入りで、相手のペースに飲み込まれないように落ち着いてプレーする必要がありました。自分たちの本来のバスケットボールを最初からできるようにしないといけないです」
3月に入ってから未勝利と厳しい戦いが続く滋賀だが、ラベナ自身は20日の京都ハンナリーズ戦でアンスポーツマンライクファウル2度宣告による退場処分から1試合の出場停止を受けたのは反省点だが、今回も含めた10試合で今月は平均13.9得点、6.4アシストと見事なスタッツを残している。
「個人的には毎試合、自分のベストをしっかり出すための準備にフォーカスしています。どの試合でも勝てるような展開に持っていくためにチームを導いていきたいです」。こう語る司令塔は「メンタル面においては、若いチームメートのために試合に向けた気持ちを作る助けをしていきたいです」とチームリーダーとしての役割も強く意識している。
「メンタル面でもしっかり準備し、ゲームプランを遂行できるように」
週3日の試合が続くことで、試合のない日はコンディション調整と移動で終わってしまう。「自分たちのような若いチームにとって、ミスを修正するために練習する時間がないのはすごく難しいです」とラベナが語るように一度、悪い流れに入りこむとそこから抜け出すのは容易ではない。特に滋賀は、チームの得点源だったオヴィ・ソコがシーズン途中でチームを去っていることで、練習を思うようにできない弊害は大きい。
12連敗は滋賀にとってチームワーストタイであり、今日も負けての連敗記録更新は何としても避けたい。そのためにまず何を成すべきかラベナは言う。「宇都宮さんがリーグでもトップチームの一つであることを、今日の試合では完全に見せつけられました。明日、もっと自分たちがメンタル面でもしっかり準備し、ゲームプランを遂行できるように準備をしていかなければいけないと思います」
第1戦の第2クォーターのように、ラベナがドライブで守備を切り裂いてパスを散らすことができれば滋賀のペースとなる。そのためにも、チーム全体でラベナをサポートし、立ち上がりで宇都宮のプレッシャーをしっかり押し返さないといけない。