ジェイソン・テイタム

テイタム「子供の頃からずっと楽しみにしていた瞬間だった」

現地3月6日にTDガーデンで行われたセルティックスvsネッツの一戦は、ともに最大リードがわずか1桁、そしてリードチェンジを28回も繰り返す接戦となったが、ジェイソン・テイタムがシーズンハイの54得点を挙げたセルティックスが126-120で勝利した。

58-60で前半を終えると、その後も一進一退の攻防が続き、セルティックスは最終クォーターを89-90で迎えた。そんな拮抗した中で違いを見せたのがエースのテイタムだ。テイタムはディフェンス3枚をかわす巧みなハンドリングから次々と難しいシュートをねじ込み、第4クォーターだけで18得点を固めた。

試合は残り1分を切ってもセルティックスの3点リード(118-115)と緊迫した展開となったが、残り40秒、テイタムがトップでディフェンス2枚を引き寄せると、右ウイングにいたマーカス・スマートにボールを繋ぎ、さらにスマートがコーナーでフリーになったジェイレン・ブラウンにボールを託す。そのブラウンはシュートチェックに飛んできたディフェンスをフェイクで冷静に交わして3ポイントシュートを沈め、121-115とリードを広げた。その後、ニコラス・クラクストンにフリースロー2本、カイリー・アービングに残り13秒でディープスリーを決められ4点差(124-120)に詰められたが、セルティックスが逃げ切って勝利した。

この試合でネッツはケビン・デュラントが37得点6リバウンド8アシスト、アービングが19得点6アシスト3スティールを記録。しかし、テイタムが3ポイントシュート8本成功を含む54得点と大爆発し、ブラウンも21得点5アシスト3スティールと続いたセルティックスがネッツを上回った。

テイタムは「リーグ屈指で、そして最高の2選手を擁するチームとの対戦は、子供の頃からずっと楽しみにしていた瞬間だった」とネッツ戦を振り返った。テイタムとともに会見に参加したブラウンは「誰も彼を止めることができなかった」とテイタムを称えた。

シーズン前半戦のセルティックスは、個々が勝手なプレーをしてなかなか歯車が噛み合わない時期が続いた。当時、スマートは「自分のためだけじゃなく、チームの他の選手のためにもプレーしなければいけない」とテイタム&ブラウンに対して、メディアの前で不満を漏らしていた。それでも今は、テイタムのプレーが変わってきていることを実感しているとスマートは言う。

「彼は無理にやろうとするのを止めたんだ。エネルギーの出し方を調整して、ダブルチームを無理やり打開しようとしなくなった。それに、ゲーム終盤で彼がやるべきことをできるようになった。彼は第4クォーターで試合を支配する力を持っているし、それがすべてだよ」

「偉大な選手は、クラッチタイムに力を発揮することが重要なんだ。そのためには他の選手を巻き込んで、自分のスペースを作らないといけない。その点で言うと、今のジェイソンとジェイレンは素晴らしい仕事をしている。僕たちチームを引っ張ってくれる彼ら2人が自分自身、そしてチームメートのために素晴らしいシュートを決めてくれている」

スマートは14得点9アシストを記録して勝利に貢献。最終クォーターのプレータイムは5分に留まったが「楽しいゲームだったし、最終クォーターの5分間はコートにいるのが楽しかった」と語った。

セルティックスはこれで直近10試合を8勝2敗とし、東カンファレンス4位のブルズまでゲーム差1に迫っている。一方のネッツは、デュラントとアービングが1月12日のブルズ戦以来となる共演を果たしたが、連敗を止めることができず4連敗となった。