名将ポポビッチも脱帽「彼は特別な選手」
現地2月28日に行われたスパーズvsグリズリーズの一戦は、ジャ・モラントがキャリアハイの52得点と大暴れしたグリズリーズが118-105で勝利した。
球団史上初となった1試合50得点超えは、3ポイントライン手前からのロングを含む4本すべての3ポイントシュート成功、アクロバティックなブザービーター、ヤコブ・パートル越しのポスターダンク、そして勝負どころの第4クォーターに13連続得点と完璧な形での快挙だった。それにもかかわらず、モラントは「チームメート、コーチのおかげでできたこと。みんなが僕を信じてくれるから、正しいプレーができる」と、試合後の会見で謙虚な姿勢を崩さなかった。
2月26日のブルズ戦で自己最多の46得点を記録したばかりだったモラントは、続くスパーズ戦であっさりキャリアハイを更新。今シーズンはキャリア初のオールスターに選出され、スターターとして出場した。このままシーズンを終えられれば、オールNBAチーム入りも確実だ。
モラントは「僕のモットーは、目の前の仕事に集中すること」と言う。「チームの勝利のために力を尽くすこと。試合に勝ち続ければ注目されるし、僕たちの試合が中継される機会も増える。ウチには、年間最優秀守備選手賞候補のジャレン(ジャクソンJr.)、成長著しいデズ(デズモンド・ベイン)、そしてオールスターの僕がいる。目の前の仕事に集中するのみさ。オールNBAチームに選出されたらうれしいけど、今はチームの勝利だけ考えている」
モラントが中心のグリズリーズは雰囲気も素晴らしく、スパーズ戦後にはチーム全員でエースの偉業を祝福するシーンも見られた。開幕前の評価はお世辞にも高かったとは言えないが、グリズリーズは西カンファレンス3位に大躍進し、気づけば同2位のウォリアーズに1ゲーム差に迫っている。
今回対戦したスパーズの名将、グレッグ・ポポビッチも「彼は美しい選手だ」と、今シーズンMVP級のプレーを続けるモラントを称えた。「他に彼を形容する方法は見当たらない。身体能力が高いだけじゃない。あまりのスピードに、彼を『同じ人間ではない』と表現する人もいる。ただ、彼はどういうプレーをするか自分で考えて選択している。それは、コート上で何が起きているのかをしっかり把握できている証拠だ。あれだけの身体能力に、知的な部分も併せ持っている。つまり、彼が特別な選手ということだ」