アメリカ

写真=Getty Images

後半に爆発したアメリカ、ベルギーを総合力で下す

日本代表はベスト8進出を中国に阻まれて敗退したが、ワールドカップはその後も続いている。今夜はついにファイナル。アメリカとオーストラリアが決勝に駒を進めた。

昨夜、絶対王者アメリカは準決勝でベルギーと対戦。この試合ではベルギーの奮闘が目立ち、リバウンドやルーズボールで一歩踏み込む強さ、どんなマッチアップでも積極的な姿勢でアメリカに食らい付いていた。前半を終えて40-39とアメリカのリードはわずかに1点。苦戦しているようにも見えたが、第3クォーター後半に『爆発』した。

ポストに入れるパスを徹底的にケアするベルギーのディフェンスが機能し、インサイドでの得点が伸びないアメリカは、それであれば外でとディアナ・トウラージが3本連続で3ポイントシュートを沈める。対面にディフェンスが付いていても構わず打って決めてしまうトウラージにはより厳しくプレッシャーを仕掛けるしかないが、ここでアメリカは他の選手もロングレンジから打ち始め、ブリアナ・スチュワート、ジュウェル・ロイドと決めるとベルギーは守りどころを絞れなくなった。

この混乱はオフェンスにも悪影響を及ぼす。点差が離れていく中で挽回しようと無理なシュートを打ってしまい、アメリカにリバウンドを拾われ走られる結果に。第3クォーター後半に21-5のビッグランを披露したアメリカが、終盤は余裕の試合運びで93-77と快勝している。

オーストラリア

エースのキャンベージがホスト国スペインを粉砕

準決勝のもう一つのカードはスペインとオーストラリアの対戦に。オーストラリアは立ち上がりこそ先行したものの、その後はホスト国スペインの機動力に押され、第3クォーターを終えて50-58とビハインドを背負った。それでも最終クォーター、オーストラリアは下手にスペインに合わせるのではなく、フィジカルと高さ、そして積極性を前面に押し出して反撃を開始する。

勝敗を分けたシーンは残り6分半、アストゥ・ンドゥールのファウルアウトで、オーストラリアのエースである203cmのエリザベス・キャンベージに対抗できる198cmのセンターが不在となった。その直後にキャンベージも個人ファウルが4つになったが、オーストラリアはここが勝負どころと見てエースをベンチには戻さず、キャンベージもプレーの強度を落とすことなく仕掛け続ける。

強気ではあるが時には強引すぎるプレーが目立つオーストラリアは、自陣でのハンドリングミスから失点したり、5秒バイオレーションなどミスが続いたが、決して受け身にはならなかった。残り3分、キャンベージはポストプレーからの強引なアタックで、ンドゥールに代わりマークに付いていた190cmのラウラ・ニコルスもファウルアウトに追い込む。

チームファウルが5に達したスペインをフリースローで攻め立て、なおかつ高さのなくなったスペインのフィニッシュをキャンベージが連続でシュートブロック。土壇場で流れを引き寄せたオーストラリアが72-66でホスト国スペインを撃破した。キャンベージは33得点15リバウンド4ブロックと非凡な働きでオーストラリアをファイナルの舞台へと導いた。

決勝のアメリカvsオーストラリアは、日本時間の明日未明4時にティップオフとなる。