トム・ホーバス

「今の合宿に来ている全員にポテンシャルがあります」

バスケットボール男子日本代表は、今年9月に中国で開催されるアジア競技大会に向け、若手中心のB代表で強化合宿を実施している。今日、ヘッドコーチのトム・ホーバスが会見に応じ、「コロナがなければ(ワールドカップ予選Window2に向けた)A代表の合宿を昨日から始めたかったが、Bリーグの試合が入って合宿が短くなった。この期間に合宿をやらないのはもったいないと思った」と、この合宿を行うことになった経緯を明かす。

「ウチのバスケに合っているかどうかをチェックしたい。このメンバーが経験を積めばA代表のチャンスもあります。日本代表のバスケットを教えて、A代表の合宿に呼んだ時にビックリさせたくない。良いチャンスだと思います」

女子日本代表を率いていた時も、まだ経験の浅い若手たちを積極的に代表合宿に呼び、テストマッチで起用し、大会で活躍させて自信を付けさせ、主力へと育て上げた。同じイメージで男子の若手も引き上げようというのが指揮官の考えだろう。昨秋のワールドカップ予選Window1のメンバーからはエヴァンス・ルーク、アキノ・マシュー、寺嶋良、岡田侑大、西田優大が招集されている。彼らについては「もう一度確認したかった」と、自分のスタイルへの理解をもう一歩深めさせる構えだ。

「ポテンシャルのある選手を見たい。今の合宿に来ている全員にポテンシャルがあります。シューターなのかドライブする選手なのか、ウチのシステムに合うかは一緒に練習しないと分からない。明日から練習なので、そこから決まっていきます」

もっとも、若手を対象とした合宿に切り替えたとはいえ、すべてが思い通りとはいかない。千葉ジェッツやアルバルク東京などの選手が招集されていないことは「天皇杯もBリーグの試合もあるのでこの合宿には来れない。もっといっぱい選手を呼びたかった」と残念がった。

それでも、リーグと共存しながら代表チームを強化する術として、今回のB代表の合宿を組めたことには意義があるはず。ホーバスは「若いメンバーと練習する機会は少ないので、明日からの練習が楽しみです」と、貴重な機会を最大限に活用するつもりだ。

男子日本代表 アジア競技大会 強化合宿メンバー15名
ルーク・エヴァンス(C/ファイティングイーグルス名古屋)
保岡龍斗(SG/秋田ノーザンハピネッツ)
熊谷航(PG/信州ブレイブウォリアーズ)
アキノ・マシュー(C/信州ブレイブウォリアーズ)
前田怜緒(SG/信州ブレイブウォリアーズ)
寺嶋良(PG/広島ドラゴンフライズ)
シェーファー・アヴィ幸樹(PF/シーホース三河)
アイザイア・マーフィー(SG/広島ドラゴンフライズ)
岡田侑大(SG/信州ブレイブウォリアーズ)
川真田紘也(C/滋賀レイクスターズ)
西野曜(SF/サンロッカーズ渋谷)
西田優大(SG/シーホース三河)
高島紳司(SG/大東文化大学)
河村勇輝(PG/東海大学)
金近廉(SF/東海大学)