日本のパスワークを分断され、オフェンスが機能せず
開幕2連勝を飾った車いすバスケの女子日本代表だが、今日のカナダ戦では持ち味を発揮することなく終始ビハインドを背負い、35-61の完敗を喫した。
両チームともに良いシュートチャンスを作れず得点も伸びない立ち上がりとなるが、3日連続の試合となる日本は動きが重く、スピードに乗った攻めを出すことができない。カナダは少々厳しい状況でも強引にシュートを打ち、これを確率良く決めて先行する。それでも柳本あまね、藤井郁美と速い攻めからの得点がようやく続いた日本が8-13と点差を詰めて第1クォーターを終えた。
しかし、第2クォーターも苦戦は続く。日本のオフェンスは速い展開からエースの網本麻里を中心に攻撃を組み立てながらも、パスを回して多くの選手がフィニッシュに絡む。こうして相手のディフェンスの警戒が薄いローポインター(障害の重い選手)も得点を重ねるのが強みだが、カナダはこれを警戒して萩野真世や柳本あまねをフリーにしない。点差が開く中で、それならば自分がとハイポインターの網本や北田千尋が一人で得点を奪って悪い流れを断ち切ろうとするも、これはむしろ日本にとって悪い流れ。逆にリバウンドから相手の速攻を浴び、一気に突き放された。
14-31で迎えた後半、小田島理恵から土田真由美へと繋ぐファストブレイクなど良いプレーも出るが単発に終わる。カナダは20点をリードした残り4分から主力を休ませる余裕の采配。ここで日本は網本と北田を同時起用して何とか状況を変えようと試みるが、日本らしいパスワークは復活せずに、ゴール下も決めきれないなど波に乗れない。第3クォーターを終えて25-51と差が開いた。
試合の趨勢が決まった後も、今後のことを考えれば日本らしいバスケを取り戻して試合を終えたかったが、最後まで日本は波に乗れない。パスが回らずターンオーバーが出て、そこからイージーな得点を相手に与えることになった。日本はアシストが伸びず、フィールドゴール成功率は26%と低調。2連勝の勢いをここで止めることなく、この試合で得た課題を修正して、明日の休養日を挟んで29日に行われるドイツ戦に臨んでもらいたい。