元三河勢が躍動「プレーの中で噛み合ったと思う」
バスケットボール男子日本代表はフィリピンで行われている『アジアカップ2021予選』でチャイニーズ・タイペイと対戦し、98-61の快勝を収めた。
中国戦では相手のフィジカルなディフェンスに圧倒され、オフェンスが機能せずに0-7と先行された。しかし、この試合では日本が序盤から14-0と走り主導権を握ったことで、スコア通りの大勝となった。このスタートダッシュの中心にいたのがギャビン・エドワーズだった。
エドワーズはサイズとパワーのアドバンテージを生かしたインサイドアタックに加え、ブロックショットにアシストと攻守に躍動。最終的にチーム最長となる26分のプレータイムでゲームハイの21得点、4リバウンド、6アシスト、2ブロックを記録して存在感を示した。
こうしたエドワーズの活躍の裏には中国戦での不甲斐ないプレーが関係していた。「中国戦は納得できる結果ではなく、自分が思ったようなプレー、みんなが期待するようなプレーができなかった。良いプレーをしようと心掛けた」とエドワーズは言う。
中国戦のエドワーズは8得点、6リバウンド、3アシスト、2スティールを記録し、本人がネガティブにとらえるほどのパフォーマンスではなかったはず。それでも最後はファウルアウトとなり、チームを勝利に導くことができなかった責任を感じていたのだろう。
指揮官のフリオ・ラマスからは「ファウルトラブルになってほしくないが、もっとアグレッシブにプレーしてほしい。ペイントで存在感を示せば周りが空く」という言葉を受けたという。エドワーズはまさにその注文通りのプレーを見せた。それはチームハイ(タイ)の6アシストという数字が物語っている。
「ゲームの流れの中で誰かのシュートが入りだすと、ディフェンスは集まる。ラマスはスペースを広げてアタックすることで周りが空くようにデザインしている。アグレッシブに行けというのはそういう意図があり、だから周りが空いた」とエドワーズは言う。
エドワーズがインサイドで起点となったことで、チャイニーズ・タイペイのディフェンスは収縮し、キックアウトが有効となった。実際、この試合の日本の3ポイントシュート成功率は56.7%(17/30)とかなりの高水準。特に比江島慎は3本の3ポイントシュートをすべて沈めたが、それはエドワーズの強靭なフィジカルを生かしたスクリーンがあったからこそとも言える。
エドワーズと比江島はシーホース三河でチームメートだった。エドワーズも「4シーズン一緒にプレーしていたので、時間は経っているけど彼のことは理解している。プレーの中で噛み合ったと思う」と、連携が取りやすかった旨のコメントをした。また、金丸晃輔も5本中4本の3ポイントシュートを成功させた。少なからず元チームメートということがプラスに繋がったはずだ。
今日の中国戦はライアン・ロシターがエントリーするため、エドワーズに出番はない。競争も兼ねたこの予選を、エドワーズはこのように総括した。「国際舞台でプレーできたことに興奮したし、良い経験になった。リーグでは何百試合もプレーしてきたけど、全く違う環境だった。パフォーマンスに波はあったけど、次のステップに進める」