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スポーツ界からも銃規制強化を求める声が続出

2月17日、フロリダ州パークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で銃乱射事件が発生し、17人が殺害された。アメリカ国内では銃乱射事件が発生するたびに銃の規制強化を強く訴える運動が起こっている。今回も高校生ら若者が立ち上がり、銃規制を強く主張。ドナルド・トランプ大統領と面会を果たしたものの、市民の願いとは裏腹に、大統領は教職員を銃で武装させるという、耳を疑う案を逆に提示するなど、彼らの声は国を動かすまでには至っていない。

2月24日、事件発生後初のホームゲームをアメリカン・エアラインズ・アリーナで開催したヒートは、グリズリーズとの試合前にドウェイン・ウェイドがマイクを握り、会場に詰めかけたファンに向け、胸の内を語った。

「今夜、僕たちはパークランドで悲しい最期を遂げた17人の命を尊ぶ。自分たちの命のために、恐れず立ち上がった学生を称えたい。銃の安全性に関する彼らの声が届くようにするべきだ。君たちは、僕たちの国家にとって啓示そのもの。君たちを称えたい。そして、我々は君たちを支持している」

ウェイドが社会的なメッセージを発信したのは今回が初めてではない。2016年7月に『ESPN』が主催するスポーツ選手を対象とした年間表彰式『ESPY賞』授賞式でも、レブロン・ジェームズ、カーメロ・アンソニー、クリス・ポールとともに壇上に上がり、白人警官がアフリカ系アメリカ人を射殺したことに端を発し、アメリカで社会問題になった人種問題についても強いメッセージを発している。

今回の事件については、NHLフロリダ・パンサーズの人気選手ロベルト・ルオンも悲痛の思いを試合会場で語った。パークランドに住むルオンは、ワシントン・キャピタルズ戦前に「もうたくさんだ。地域で行動を起こさないといけない」と語り、「事件発生後からニュースを見ている。立ち上がった学生のみんな、君たちは勇敢だ」と、抗議デモを続ける若者を称えた。

前述したトランプ大統領の対応を見る限り、現政権が銃規制を強化するとは考えにくい。しかし訴えることを止めてしまっては、ただ事件が風化してしまうだけだ。NBAを含むアメリカのトップアスリートたちは、国内の銃規制強化を求め、これからも声をあげ続けるはずだ。