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ともに腰のトラブルに悩まされた2人

脳脊髄液減少症による身体の不調に悩まされているウォリアーズのヘッドコーチ、スティーブ・カーは、昨シーズンのプレーオフ開幕からファイナルまで現場で指揮を執ることができなかった。それだけに、腰にトラブルを抱える者の苦しみには共感できるのだろう。

カーの症状が著しく悪化し、腰に耐えがたい痛みが出たのは、2015年にウォリアーズが優勝してからだった。カーの妻は『ESPN』に当時の夫の状態を語っている。

「夫とカジノに行った時、彼は20mも歩けなくて、スロットマシーンの椅子に座っては休んでの繰り返しだったわ。手術を受けるしか方法がなかった」

カーと同様に、私生活にまで大きな影響を与えるほどの腰の痛みを抱えていたのがプロゴルファーのタイガー・ウッズだ。2014年と2015年に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けたウッズは、先週行われたヒーロー・ワールドチャレンジに出場。初日から好発進を見せ、周囲を驚かせた。

カーは、復活を遂げたウッズについて、『Mercury News』に「腰痛を経験すると、同じ痛みを乗り越えた人間の気持ちが分かる」とコメント。「もし私が腰を悪くする前だったら、タイガーの復活を見ても、『ああ、すごいな』くらいにか思わなかっただろう。私と彼とでは症状が大きく異なるだろうが、彼が経験した痛みは理解できる。彼がまた大好きなゴルフをしている姿が見られて私もうれしい。勝敗は関係なく、誰が見ても彼は幸せに見えるさ」

昨シーズン43試合を欠席したカーは、今年の5月に再び手術を受け、今シーズンは健康な状態を維持している。一時はヘッドコーチから退くのではないかとも言われたが、来年の夏には新契約にサインする可能性が高いことを、本人も暗に認めているだけに、健康な状態は取り戻せたと見ていいだろう。

復帰戦を8アンダーの9位で終えたウッズが、本格的にPGAツアーに参戦できるようになれば、カーにとっても刺激になるのではないだろうか。