
バックス戦でキャリアハイの33得点、オフェンスを牽引
指名権を持たないバックスにはタンキングをする理由がない。現地3月19日、ジャズはそのバックスを128-96と圧倒した。ジャズのフロントがドラフト指名順位を上げるために負けることを意識しているのは間違いないが、若い選手たちのガッツと野心が噛み合った時には、デルタ・センターに集まる1万8000人のファンを納得させる試合を見せる。
ヤニス・アデトクンボ欠場中にずるずると後退するバックスは、ヤニス抜きでも選手の実績では大きく上回るにもかかわらず、チームのゴタゴタより『心ここにあらず』のまま試合に入った。第1クォーターを19-30と圧倒されたのは、6ターンオーバーという集中力の欠如が要因だった。第2クォーターはシュートが当たり始めて多少は改善したものの、ターンオーバー7と噛み合わないことに変わりはなかった。ジャズは前半だけで7スティール、ターンオーバーから16得点を奪い、前半で64-43と大差を付けた。
ジャズの先発では26歳のイライジャ・ハークレスが最年長だが、2年目とまだ実績に乏しい2ウェイ選手。その彼はディフェンスでハッスルし、攻めに転じれば10アシストでターンオーバーわずか1の安定感、そしてキャリアハイの23得点を記録した。2年目の21歳、コディ・ウィリアムズも特に前半にバックス守備陣を切り崩す大きな働きを見せて、23得点を挙げている。10日間契約のアンダーソン・ガルシアはこの日がNBA5試合目の出場ながら、48分プレーして7得点11リバウンド6アシスト3スティールと攻守にフル回転。ベンチから35分出場したベズ・エンベンも10日間契約の選手で、NBA4試合目で5得点5リバウンド6アシストと活躍した。
そんな若いジャズで一番のパフォーマンスを見せたのは、1巡目5位指名ルーキーのエース・ベイリーだ。第1クォーターの好スタートをディフェンスで演出し、試合が進むにつれてシュートタッチをつかんでキャリアハイの33得点を記録。3ポイントシュート19本中7本は確率が良いとは言えないが、ヘッドコーチのウィル・ハーディーは「焦って打っているわけではないし、アグレッシブにプレーするのは良いことだ。シンプルなプレーを心掛けて3ポイントシュートを19本打つ姿勢を評価したい」と語る。
name a better way to start your morning than reliving Ace’s career high 📈#TakeNote pic.twitter.com/nZsSTd1l91
— Utah Jazz (@utahjazz) March 20, 2026
ベイリーはここまで61試合に出場し、12.8得点、4.0リバウンド、1.7アシストを記録。ラインナップが頻繁に変更されるチームでルーキーがプレーするのは大変だが、コンスタントに結果を残している。
ベイリーは言う。「ラウリ(マルカネン)やキース(キヤンテ・ジョージ)がいない状況でオフェンスを引っ張るのは僕にとって新たな成長だし、シュートを打つだけじゃなくチームメートのためにチャンスを作り出すのも、僕にとっては重要な一歩となる。自分が得点を稼ぐこともあれば、ダブルチームに気付いて正しいパスを選択することもある。それができるようになりつつあるのは自分の成長だし、NBAのバスケへの理解が進んでいると感じているよ」
そして彼は、今の成長はアシスタントコーチのチャド・フォーシアのおかげだと感謝を語った。「彼は細部にこだわることの大切さを教えてくれた。一見するとつまらない細部に集中し続けることこそが、偉大な選手を作る。例えば練習を通して同じフォームでシュートを打ち続けること。本当に小さなところまで彼は根気良く指導してくれるし、僕もその小さな積み重ねが自分の成長に繋がると信じている」
今年のルーキーの中で、彼よりも活躍している選手は複数いるが、ルーキーイヤーからチームを引っ張るリーダーシップを求められているのは彼しかいない。
「まだ学んでいる最中だね」と19歳のベイリーは言う。「自分より年上で経験もある選手ばかりの中でリーダーシップを発揮するのは大変だけど、精神力が鍛えられるし、とても勉強になる」
ジャズにプレーオフ進出の可能性はなく、今の彼らは来シーズン以降の将来のためにプレーしている。それでもベイリーは「来シーズンに主力選手が戻って来た時のチームはどうなると思う?」と質問されると「分からない」と答えた。
「今はまだこのシーズンをやり遂げることしか考えていない。あと何試合あるか、自分でもちゃんと把握できていないけど、それぐらい試合は残っている。来シーズンのことはオフに考えればいい。シーズン開幕当初のことを考えると、ずいぶん遠くまで来た気がする。82試合のシーズンなんて初めての経験だからね。だからこそ、すぐやって来る次の試合に集中していたいんだ」