写真=Getty Images
中国の『大魔王』と称されるスター選手
12月17日、ロケッツが中国出身センターのジョウ・チーを解雇した。
チーは、2016年ドラフト全体43位でロケッツから指名され、2017-18シーズンからNBAに挑戦した。NBAで19試合に出場して平均1.3得点、1.2リバウンドという成績を残した。この約1年半の大半をGリーグのリオグランデバレー・バイパーズで過ごし、31試合(先発26試合)に出場して平均11.2得点、7.0リバウンド、2.1ブロックを記録した。
チーは、この夏に開催された『アジア大会』にも中国代表として出場し、エースとして優勝に貢献した。中国リーグでプレー経験のある元NBA選手のジョーダン・クロフォードをして『中国版アンソニー・デイビス』と言わしめ、母国では『大魔王』のニックネームで称賛されるほどの大スターだが、ベテランのネネがローテーションに復帰した影響もあり、強豪ロケッツの選手層という壁を超えられなかった。
ロケッツは、チーの解雇に続き、カーメロ・アンソニーもトレードか契約バイアウトにより退団することが濃厚で、ロスターに空きが生まれる。西カンファレンスの優勝候補ウォリアーズの対抗馬として期待されつつ、開幕ダッシュに失敗し、現在は14勝14敗でカンファレンス11位に低迷している状況を打開するため、空いた枠を使い、補強を実行する可能性が高い。
チーの獲得に関心を示すNBAチームが現れるかは分からないが、改めて世界最高峰のリーグの厳しさを思い知らされる判断と言える。所属チームの状況、巡り合わせにもよるが、数少ないチャンスを生かせなければ、NBA定着は難しい。