27得点18アシスト、ゲームメークだけでなくクラッチタイムの得点も
キャバリアーズはレギュラーシーズンで最も長い6試合のロードトリップを5勝1敗で終えた。開幕前の時点で、この時点までプレーオフを狙える位置にいれば御の字という考え方が大勢を占めていただろうが、実際は26勝18敗で東カンファレンスの6位に付けている。一つ順位を落とせばプレーイン・トーナメントに回ることになるが、今のキャブズには下の心配ではなく上を目指す野心がある。思うように試合が消化できていない上位陣はシーズン終盤に過密日程が待っており、すでに44試合を終えたキャブズは有利だ。
現地1月15日のサンダー戦では、前半だけでルーゲンツ・ドートが11得点、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーとTJ・ジェロームが10得点とオフェンス好調のサンダー相手に苦戦を強いられたが、最大18点のビハインドを背負ってもあきらめずに第3クォーターで猛追し、第4クォーターに逆転した。
サンダーは下位に沈んでいるが、前の試合ではネッツ相手に今シーズン最多の130得点を挙げて勝利している。シェイ・ギルジャス・アレクサンダーはこう語る。「僕らも調子は良かった。それが前半には見せられたと思う。後半はリズムを乱したけど、僕らの問題というよりは謙虚に相手を称えたい。敵地で苦しい状況だったのに、冷静さを失わずに逆転勝利を収めたんだからね」
劣勢の中で逆転勝利の道筋を見いだし、チームを引っ張ったのはダリアス・ガーランドだ。ジャズ戦ではキャリア初のトリプル・ダブルを、スパーズ戦では32得点8アシストを記録。この試合では27得点に、ジャズ戦でのキャリアハイをすぐさま更新する18アシストを記録した。
10点ビハインドで迎えた第3クォーターだけで6本中5本のシュートを決めて14得点8アシスト。これで追撃ムードを盛り上げ、第4クォーターは自分のシュートを控えてゲームメークに徹した。そのバランスの良さで試合の流れを呼び込んだが、クラッチタイムで2度の同点のシーンでは自らシュートを放ち、いずれも決める『クリス・ポール級』のパフォーマンスを見せている。
ヘッドコーチのJ.B.ビッカースタッフは「彼はあらゆる面において試合を支配していた。絶対に負けない意思を身体から発していた。それは個人としてもチームとしても成長し続けている証だ」とガーランドを称賛する。
「それはこの1試合に限らない。今回の遠征を通じてダリアスがずっと見せていたものだ。彼は試合を試合する術をモノにしようとしている。どの試合も同じ展開ではなく、様々な状況に対処しなければならないが、彼はその時その時に必要とされるプレーをして試合を支配する。得点が必要なら得点するし、守らなければいけない時は守る」
「ただ技術があるだけじゃなく、何が必要かを読む力もある。自分勝手なプレーはしないが、同時に他人任せにすることもなく勝利にこだわる。チームメートを信じて良さを引き出すが、勝負が懸かった場面では勇気を持ってシュートを打つ。我々は今、大きく成長しようとしている選手を目の前にしている。ダリアスは今、このリーグのエリートプレーヤーの仲間入りを果たしたと自信を持って言えるよ」