「バスケを正しい方法でプレーするという点で評価されるべきだ」
ニコラ・ヨキッチは昨シーズン、26.4得点、10.8リバウンド、8.3アシストという数字を残してシーズンMVPに輝いた。今シーズンも25.7得点、14.1リバウンド、7.0アシストと遜色のないスタッツを挙げてナゲッツを引っ張っている。
それでも、ナゲッツを率いるマイケル・マローンは「他のどのMVPよりも過小評価されている」と、ヨキッチを取り巻く周囲の見方に不満を漏らした。「辞書を開いて『一貫性』という言葉を調べてみるといい。ニコラの写真が添えられているはずだ。『バブル』のシーズンも、72試合だった昨シーズンも、彼はずっと良いパフォーマンスを見せている。今シーズンもジャマール(マレー)は長期欠場中だ。マイケル・ポーターJr.とPJ・ドジアーのケガがなければ、ニコラはもっと活躍しているだろう」
今シーズン39試合のうち34試合に出場しているヨキッチは、フィールドゴール成功数でケビン・デュラント(368)とドノバン・ミッチェル(349)に続くリーグ3位の342本を決めている。リバウンドではルディ・ゴベア(557)に次ぐ481本でリーグ2位、アシストではトップのクリス・ポール(402)からは差があるもののビッグマンでトップのドレイモンド・グリーン(250)に迫る238本を記録しており、これはリーグ11位の数字だ。
それでも、レブロン・ジェームズやステフィン・カリー、ケビン・デュラントやヤニス・アデトクンボと同等の評価が得られていない。その理由をマローンは「つまり、セクシーじゃないんだろうな。彼の奥さんは同意しないだろうが、ハイライトで派手なダンクをぶちかますわけじゃない。3ポイントシュートに飛び込んで叩き落すわけでもないからね」と語る。
確かに、ライバルと比べるとヨキッチはアスリート能力に欠ける。身長211cmのセンターでは、ガードやフォワードの選手と比べて俊敏な動きやジャンプ力を欠くのは仕方ないこと。ただ、マローンはそれと選手の評価は別であるべきだと考えている。
「彼がどの試合でも見せているパス、バスケIQ、ゲームを読むこと、得点、リバウンド、プレーメーク……これらは正しく評価されるべきだ。最近になってようやくディフェンスは評価されるようになってきたようだが、私に言わせれば当然のこと。バスケットボールを正しい方法でプレーするという点で、ニコラはもっと高いレベルで評価されるべきだ」