渡邊雄太

ケガからの復帰後、素晴らしいプレーで周囲の信頼を勝ち取る今シーズン

NBAでは2019-20シーズンが新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズン途中の中断期間を挟み、短縮された終盤戦とプレーオフが『バブル』と呼ばれる隔離エリアで行われた。2020-21シーズンはレギュラーシーズンが72試合に短縮された。今シーズンから通常通りのフォーマットに戻ったのだが、オミクロン株の流行により健康安全プロトコル入りする選手が続出。多くのチームがその影響を受け、いくつかの試合が延期されている。

NBAでは98%の選手がワクチン接種を受けているが、それでも過去3週間で約250名の選手が健康安全プロトコル入りしている。そんな中、ラプターズではスビ・ミハイリュクとともに渡邊雄太が健康安全プロトコル入りした。2選手はリーグが定める期間の自主隔離を強いられ、試合出場だけでなく練習も大幅に制限される。

渡邊は左ふくらはぎの張りのためプレシーズン1試合出場を除いて欠場が続いたが、開幕1カ月後の現地11月24日に今シーズン初出場を果たすと、ケガ人とプロトコル入りで選手が足りないチームを攻守に支える存在となった。もともと定評のあるディフェンスはもちろん、攻め手を欠く中で積極的なアタックも連発。ここまで14試合出場で7.6得点、4.3リバウンド、1.1アシストとキャリアハイの数字を残し、2試合では先発も任されて平均プレータイムは20.5分にまで伸びていた。

周囲の信頼を勝ち取っていた中での健康安全プロトコル入りは、彼にとってもチームにとっても痛手。同じくプロトコル入りしたミハイリュクもチームで唯一、今シーズンここまで全33試合に出場している選手。フレッド・バンブリート、OG・アヌノビー、パスカル・シアカムといった主力が戻り、ようやくフルメンバーで戦えると思ったところで、また選手を欠くことになってしまった。