2010年、ウェイドはスーパーチームの先駆けとなるトリオを結成
ケビン・デュラントがウォリアーズに移籍したことで生まれたステファン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソンとの、いわゆる『スーパーチーム』に対する批判の声は今も止まない。だが、ブルズのドゥエイン・ウェイドは、スーパーチーム結成について「リーグにとって良いこと」だと『ESPN』に語った。
2010年にフリーエージェントとなったウェイドは、優勝を目的として盟友レブロン・ジェームズ、クリス・ボッシュとともにプレーすることを決断。3人はヒートに集結し、世間から大きなバッシングを受けながらも、タイトルを手中に収めた。
2010年から4年連続ファイナル進出を果たした『スリーキングス』時代を、ウェイドはこう振り返っている。
「当時は、僕たちのことを応援してくれる人も、憎んでいた人も、皆テレビをつけて試合を見てくれた。同じことがゴールデンステイトにも起こる。ケビン・デュラントの成功を願う人も、そうではない人も、皆、試合を見るよ」
ウェイド、ジェームズ、ボッシュは、ともにプレーすることを決めた時、大きなうねりに飛び込むことを実感したと言う。
「とても大きな流れになると思っていた。事を上手く運ぶためには、何が何でも勝たないといけなかった。巨大船に乗るような感覚だったよ。それが実体として何かは分かっていなかったし、まだ何年か先まで理解はできないだろう。それでも、僕たち3人は、自分たちの決断がとても大きなものになることを理解していたんだ」
今シーズンは、全世界のバスケットボールファンがウォリアーズに注目するだろう。同じ体験を一足早くしたウェイドは、スーパーチーム結成1年目のシーズンの過酷さについても語った。
「1年目は大変なシーズンだった。それまではリーグ関係者とも上手くいっていたし、ファンの愛情も感じられていたし、メディアとの関係も悪くなかった。それなのに、僕たちが一緒にプレーすることが決まってから、すべてが変わった」
「プレーヤーとしては、毎試合で会場が満員になるのはすごく良いことだ。でも、僕たちが一緒にプレーすることに関してはネガティブな意見が多かった。それだけの批判を受けたということさ」
では、ウェイドはウォリアーズがどういうシーズンを送ると思っているのだろうか。彼は「見当もつかない」と答えた。
「僕たちのケースとはすべてが異なる。何とも言えないね。新選手が加わればチームはそれに対応しなければならない。ただ、彼らは非常に優秀な選手だからね。成長していく上での痛みや苦しみが、外から見られるかどうかは分からない」
「重箱の隅を突くことはできる。だけど、最終的にはシーズンが終わるまで結論は出ないものだ。僕たちは成長する過程で多くの痛みを伴ったけど、結成1年目のシーズンでファイナルまで勝ち進んだ。それだけ素晴らしい才能を持ったチームだったんだ。それでも、チームとしてあるべき形になっていたかと言えば、まだそうじゃなかった。それでもファイナルに勝ち進めた。だから、どうなるかなんて誰にも分からないことさ」