15得点22リバウンド3ブロックでインサイドを支配
昨年のウインターカップを制した仙台大学附属明成(宮城)は北陸(福井)との2回戦に98-48で快勝した。
シード校が陥りやすい初戦の固さが見られ、佐藤久夫コーチも「「舞い上がっているように感じました」と表現したが、この固さをプレーで打開したのが1年生のウィリアムス・ショーン莉音だ。彼は身体を張り、リバウンドにブロックショットとインサイドで大暴れし、停滞していたムードを一気に変えた。それは佐藤コーチに「1年生のショーンが大胆にやってくれていた。それが3年生に『俺もやるぞ』という勇気を与えてくれたような気がする」と言わせるほどの存在感だった。
ショーン莉音は初めてのウインターカップで15得点22リバウンド3ブロックというスタッツを叩き出した。ほぼフル出場となる38分29秒もの間コートに立ち続けたが、「アドレナリンか分からないですけど、一生懸命やっていると楽しくなって疲れは感じないです」と、頼もしい言葉が返ってきた。
特にボールへの執着心を垣間見せる、リバウンドの強さが際立っていたが、この粘り強さはショーン莉音の一つの武器だ。「自分の役割であるリバウンドを集中してできたのが良かったです。1回目で取れなくても上に弾いて、粘って絶対に自分のモノにしてやろうと思っていました」。また、佐藤コーチからもこの粘り強さを褒めてもらうこともあるようで「それも力の種になっています」と笑顔を見せる。
山﨑一渉もショーン莉音のプレーを頼もしく感じているという。山﨑は5本の3ポイントシュート成功を含む21得点に加え、10リバウンド5アシスト3スティールを記録し、エースの役割を全うした試合後にこのように語った。「リバウンドを忠実にやってくれるプレーヤーなのでいると助かります。足りない部分は自分たち3年生が補っていこうと思っています」
上級生に背中を押されて成長してきた山﨑は同じ安心感を後輩に与えようとしている。一方のショーン莉音も、3年生への熱い思いを抱いてプレーしている。「インターハイは一渉さんと(菅野)ブルースさんがいない状態で力を発揮しないといけなかったのに、1年生っぽさが出て悔しい結果になってしまいました。一渉さんやブルースさんたちが気楽に打てるように、自分がシュートのこぼれ球を取ろうと思っています。3年生は最後のウインターカップですし、絶対に3年生に迷惑をかけないようにやっていきたいです」
ビッグラインナップで昨年のウインターカップを制した明成。ショーン莉音の存在は連覇の可能性を上げる重要なピースとなる。