北陸

第2戦では昨年大会の準決勝で敗れた仙台大学附属明成と対戦

ウインターカップ1日目。昨年大会でベスト4に進出した北陸(福井)は初戦で県立津工業(三重)と対戦した。

第1クォーター、北陸は堅守速攻で試合を支配する。強度の高いディフェンスで第1クォーターだけで津工業から7本ものターンオーバーを奪うと、そこから3ポイントシュートやドライブと自分たちのリズムで得点を重ねていく。チームで激しくディフェンスをし、オフェンスでもチームでスペースを作りつつ、最後は個人技で突破するという総合力の高さを見せつけ、第1クォーターを27-7と圧倒した。

それでも第2クォーターからは津工業が立て直す。時間を使ってボールを回し、しっかりとズレを作ってから攻めることで得点が伸び始める。永井大和はペイントアタックで、魚見聡寿は3ポイントシュートでチームに勢いを与えるなど、ベンチから出場した選手が反撃を主導した。ディフェンスも強度を上げて間合いを詰めることで、北陸に簡単に3ポイントシュートを打たせない。そうすることで、第2クォーターは19-14と津工業が上回った。

41-27と北陸のリードで迎えた後半、ディフェンスリバウンドからの走るバスケだけでなく、ハーフコートでも司令塔の下地秀一郎が冷静なゲームメークを見せる。下地は2本続けてドライブから得点すると、今度はディフェンスを引き寄せては仲間のスペースを作り出していく。こうして北陸のペースでゲームは進み、67-49で最終クォーターへ。

このまま北陸のペースで試合が終わるかと思いきや、オールコートプレスを仕掛けるなど、ディフェンスの強度を上げた津工業にペースを握られ、残り1分20秒には79-74と5点差にまで詰められた。それでも北陸は慌てることなく、その後のフリースローを確実に沈めて突き放し、最終スコア85-74で勝利した。

北陸のキャプテンでポイントガードを務める下地は16得点5リバウンド3アシストの活躍でチームを牽引した。第1クォーターは北陸が目指す『堅守速攻』のバスケを展開できたが、「第2、第3、第4と相手のシュートが入っていたのと、自分たちのリバウンドやディフェンスの部分で相手にやられてしまって、そのままズルズル行ってしまいました」と振り返った。

相手に点差を詰められる場面は、下地がコートを離れている時。それでも彼がコートに戻れば、再び北陸はペースを整えて点差を広げた。下地は自分の役割をこう語る。「前の大会や試合でもこうやってズルズルいって負けてしまう試合があったので、そういう部分を意識しました。ウインターカップなので絶対に負けられないですし、自分がしっかり声を出して、チームを締めようと思いながらやっていました」

北陸は第2戦で昨年の優勝校、仙台大学附属明成(宮城)と対戦する。昨年の大会で北陸は、準決勝で明成にわずか2点差で敗れている。下地は言う。「明成さんは隙がないと思います。第1クォーターみたいに速い展開から3ポイントシュートに持ち込めるように、ディフェンス、リバウンド、ボックスアウトを徹底して北陸らしいバスケットができるように頑張りたいです」