ナゲッツはケガ人続出に新型コロナウイルスと逆境続き
オースティン・リバースは昨シーズン途中にナゲッツに加わったガードで、今シーズンは調子が上がらず苦しんでいた。そこに追い打ちをかけるように、新型コロナウイルスの陽性反応が出て半月に渡る欠場を強いられた。現地12月17日のホークス戦でようやく復帰した彼が、最近続出しているNBAプレーヤーの感染について自身の体験を語っている。
「検査で陽性と分かった時には無症状だった。でも、夜中に息苦しさを感じて目が覚めた。そこから少しずつ頭痛が出てきて、緊張で眠れなくなった。次第に恐怖を感じるようになった。『すぐに良くなるのか、ここからどんどん悪くなるのか、どっちなんだ?』とね」
幸い、彼が重篤化することはなかった。それでも「怖かったよ」と率直な気持ちを語る。「コロナを甘く見ている人は、インフルエンザみたいなものだと言う。でも、インフルエンザとは全く違う。インフルエンザで恐怖を感じたことはない」
「個人的な感想で言えば、今の状況はNBAの手には負えない。検査を増やし、マスク着用を徹底するにしても、僕らは街から街へと毎日のように移動する。アリーナでは大勢の人の前でプレーするし、その多くはマスクをしていない。ナゲッツのロッカールームでは『責任を持った行動をしよう』と声を掛け合っているけど、ルールがあるのは練習場とアリーナだけ。選手が帰った後に何をしているのかは分からないし、規制もない。でも、外出するなと言うわけにもいかない」
それでも、NBAコミッショナーのアダム・シルバーは「リーグ中断の考えはない」とはっきりと口にしている。リバースも回復した以上はナゲッツの勝利のためにプレーするつもりだ。「十分な準備ができないまま開幕を迎えて、自分のリズムでプレーできていなかった。それで隔離の間、自分のプレー動画をかなり見たんだ。2週間の休みで自分のプレースタイルを取り戻し、再びゲームを楽しむ気持ちを持てるようになった」
出遅れた感は否めないが、ここから彼はプロフェッショナルとしてチームを支えていくつもりだ。ケガ人が続出して、ナゲッツに寄せられる期待はかなり減っているが、リバースのやるべき仕事は変わらない。
「僕らは自分たちがプレーオフを戦うべきチームだと思っている。プレーオフで全員が100%のコンディションで戦えることはあり得ないし、その時は他のメンバーがステップアップして穴を埋めなきゃならない。そのことに変わりはないんだ。6人も7人もケガをしている状況だけど、シーズンを通じて『次の誰か』が出てくる。みんなが積極的にプレーすれば、何か良い効果が生まれるはずだ」
今のナゲッツを立て直すのはそう簡単ではない。しかし、ヨキッチを擁するチームがシーズンを投げ出すわけにもいかない。リバースが言うように、彼らは今も「プレーオフを戦うべきチーム」の自負を持って戦っている。状況は厳しくても、その姿勢がある限りは、ゲームは終わってはいない。