スケジュールを進めるため、ロスター枠追加を認める
NBAの各チームで健康安全プロトコルに抵触する選手が増えている。NBAの規約上、試合を行うには最低8人の選手が必要となるが、これを満たすことができないとして、この3日間で5試合の延期を決めた。12月19日のネッツvsナゲッツ、ホークスvsキャバリアーズ、セブンティシクサーズvsペリカンズ。20日のラプターズvsマジック、21日のネッツvsウィザーズだ。先に延期されていたブルズの2試合を加えると、これで5試合が延期となった。
昨シーズンは30試合が延期され、スケジュールが再調整された。だが、これはレギュラーシーズンを72試合に短縮していた時のこと。82試合に戻した今シーズンは再調整の余地が少ない。
例えばネッツは主力抜きで試合を続けており、残る選手の負担も大きく、ここで2試合が延期されたことで一息つくことができるが、シーズン後半の日程にしわ寄せが来る。昨シーズンはカイリー・アービングがケガで離脱、ジェームズ・ハーデンはハムストリングスを痛めながら強行出場するも、プレーオフを勝ち抜くことはできなかった。主力がいかに良いコンディションを保ってプレーオフを迎えるかが大事な優勝候補にとって、2試合延期のダメージは決して小さくはない。ただ、ネッツは10選手が健康安全プロトコル入りしており、『2試合の延期で済むかどうか』が問われる状況だ。
この状況でシーズンを円滑に進行させるため、NBAでは選手登録のルールが一部変更された。所属選手から新型コロナウイルスの陽性反応が出た場合、チームには追加のロスター枠が認められ、代替え選手との契約が可能となり、その年俸はサラリーキャップには加算されない。また2ウェイ契約の選手を登録できるのはシーズン50試合までだが、この試合数の上限が外される。
健康安全プロトコルに抵触してチームを離れている選手の多くが無症状で、それでも自主隔離を強いるルールが厳しすぎるという意見も一部にはある。だが、NBAは健康安全プロトコルにのルール自体を緩和するのではなく、ロスター枠を広げることでシーズンを進めることを決めた。理想のラインナップとはかけ離れたチームを見る機会がしばらくは続きそうだが、とにもかくにもコロナ下でシーズンをできる限り円滑に進めるのが、今のNBAにおける最優先事項となっている。