島田慎二チェアマン「団結が増した1年」
Bリーグは昨日、メディアブリーフィングを開き、昨シーズン決算の概要を公開した。
最も多くの営業収入を挙げたのは千葉ジェッツで、20.4億円。大阪エヴェッサ(15.7億円)、アルバルク東京(14.3億円)、宇都宮ブレックス(14.1億円)、シーホース三河(13.5億円)、琉球ゴールデンキングス(12.8億円)が、新B1基準となる売上12億円をクリアした。ただ、B1でもいまだ多くのクラブが5~6億円に留まってもいる。
新型コロナウイルスの影響で入場制限をせざるを得ない中、リーグ全体でのチケット収入は前年比-11.5%となった。その一方でスポンサー収入は+10.3%と伸び、営業収入全体では7.9%成長の約242億円。「非常に厳しい状況下でも、スポンサーさんに支えられたシーズン」と島田慎二チェアマンは語る。赤字クラブは17(A東京、川崎、横浜、新潟、三遠、滋賀、琉球、山形、福島、群馬、東京Z、西宮、奈良、香川、愛媛、福岡、佐賀)、債務超過クラブは10(宇都宮、横浜、新潟、山形、福島、東京Z、西宮、奈良、香川、愛媛)となった。なお、宇都宮と西宮については債務超過を上回る増資を行っている。
2020-21シーズンを島田チェアマンは「団結が増した1年」と振り返る。「選手もそうですし、ファンの皆さんの感染対策もそうですし、クラブもしんどいところで頑張った。どこが欠けても成り立たない1年を全員で乗り越えた」
中でも、厳しい状況にもかかわらず経営的に健闘しているクラブについて、島田チェアマンは「地域に根付いている、熱狂的なファンを育てているところは底堅い」と感想を語った。
「この1年でシンボリックなのは秋田で、大きな親会社を持たずとも地方都市においてファンを獲得し、右肩上がりに成長して今回初めて売上が8億を突破しています。チケット収入が大きいのはスポーツクラブの健全な姿。宇都宮もダイナミックプライシングを設定して、入場制限がかかる中、高額になっても席が埋まる。熱狂なファンが支えてくれたのが大きいです。日頃からいかに地域に根付き、ファンを獲得しているかが、リスクにおいて成長していける資質と感じます」
今年度(2021-22シーズン)の見込みとしては、営業収入が242億円から288億円とアップするが、赤字クラブは15、債務超過は11と厳しい状況が続く。「攻めの経営をしている。どのクラブも四苦八苦しながら頑張ろうとしているのが見える」と島田チェアマンはコメントする。
今年度からは、過去2シーズンに渡り適用されなかったクラブライセンス取得のための基準が一部復活する。「3期連続赤字」を認めない利益基準、B1では3億円(B2では1億円)以上の売上高を求める売上高基準は、2022年6月決算、つまり今シーズンから適用となる。さらにハードルの高い新B1基準を見据え、各クラブはコート上だけでなく経営でも切磋琢磨することになる。
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