ロッカールームに残り洗濯物を片付けた『キング』
キャバリアーズのレブロン・ジェームズは、現地10月8日に本拠地クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたセブンティシクサーズとのプレシーズンゲームが終わった後、なかなかロッカールームから出て来なかった。こうなるとメディアはケガなどのトラブルを心配する。だが、ようやく姿を見せたレブロンは意外な理由を語った。着用後に大量の汗を吸ったジャージーやソックスの汚れ物が入ったランドリーバッグがロッカールームに散らばっていたので、片付けていたと言うのだ。
チームメートは自分たちが着ていたものを投げ捨てるようにして会場を去った。レブロンは自分のものだけでなくチームメートの分まで拾い集め、スタッフに手渡したと『cleveland.com』が伝えている。
身支度を整えた後で取材に応じたレブロンは、ジャージーやソックスを脱ぎ散らかしたチームメートに向け、「一度伝えて分かってくれればいいんだが、あんなに散らかしたままロッカールームを出て行ってはダメだ」と語気を強めた。
以前から用具係などチームスタッフに尊敬の念を持っているレブロンだけに、この発言は当然とも言える。ここまで主力にケガ人も出さず順調にプレシーズンを送っているキャブズだが、このチームは決して完成されたチームではない。エースであり、絶対的なリーダーである選手が、ロッカールームに最後まで残って散らばった汚れ物を拾って回ることなどあってはならない。チームに『驕り』であったり『油断』があると見られても不思議ではない光景だ。
2連覇に向け『勝利への飢え』を保てるか
昨シーズン、メディアもファンも、キャブズの2年連続ファイナル進出を疑わなかった。事実そうなったのだが、レブロン、そして昨シーズン後半から指揮を執ったティロン・ルーは、チーム内にファイナル進出を『当然のこと』と軽く考える雰囲気があることを問題視していた。ルーは今シーズン、今まで以上に試合への集中を選手たちに求めると語っている。
戦力的に考えて、主力に負傷者が重ならなければ今シーズンもキャブズのファイナル進出は固い。だが、チームの根幹を成すメンタルの面で、開幕前のこの時期に、すでにレブロンがメディアを通じてチームに苦言を呈す事態が起きた。洗濯物を散らかしておいた今回の一件は些細なことかもしれない。だが、レブロンの雷が落ちるのは今回に限らないだろう。
昨シーズンのキャブスの戦いを振り返ると、年間57勝を挙げて東カンファレンス1位でプレーオフに進出したが、レギュラーシーズン中は集中力が散漫なままプレーした試合も少なくなかった。結果的に、ウォリアーズとのファイナルで1勝3敗という崖っぷちの状態から逆転優勝できたものの、本来ならば、そのような状況に自分たちを追い込むべきではない。
2連覇達成に向け必要なのは、選手一人ひとりが『勝利に飢えた』状態を保ち、目の前に試合に全力を尽くす姿勢。今回の『キング』の言葉は、決して軽いものではない。