ウインターカップ2連覇中の『女王』桜花学園はインターハイとの3冠を狙っている。チームの中心は昨年大会で2年生ながらベスト5に選出されたセンターの朝比奈あずさとスコアリングガードの伊波美空だ。1年時からウインターカップを経験してきた2人にとって、これが高校バスケ最後の大会。インターハイとの2冠を達成できれば、井上眞一コーチにとって70回目の優勝となり「70勝をプレゼントして3年間学んできたことの恩返しがしたい」と、最高のシナリオの実現に向けて士気盛んだ。
東海大会で初の敗北も「今思えば逆に良かった」
──自己紹介をお願いします。
朝比奈 桜花学園3年の朝比奈あずさです。ポジションはセンターで、得意なプレーはポストプレーです。
伊波 桜花学園3年の伊波美空です。ポイントガードで得意なプレーはドライブです。
──インターハイで優勝しましたが、その前の東海大会では負けています。当時はどんな気持ちでしたか?
伊波 負けた時は最初はあまり実感がなかったです。
朝比奈 「本当に負けたんだ」って感じで、寮に帰ってきた時に「ああ、本当にヤバいことをしたな」思いました。力負けではなく、自分たちの足りないことがすごくいっぱいあって、勝てるゲームを落としたからしんどかったです。
──足りないことは具体的に何でしたか? また、その経験を経てどのように変わりましたか?
朝比奈 気持ち?
伊波 気持ちが一番足りてなかったよね。チーム内の厳しさも全然なくて、直すことがたくさん見つかりました。
朝比奈 その時はしんどかったですが、今思えば逆に良かったと思います。特に3年生の意識が変わって、練習の中でも今までだったら流していたところもちゃんと注意するようにもなったし、お互いにしゃべるようになりました。
伊波 練習の中で全体に指示を出したり、厳しく言うことを全くやってこなくて、それで負けた部分もあったと思います。負けた後はできていないことを見逃さず、自分の思いも伝えて厳しさを持ってやってきました。
──東京オリンピックでは井上先生のたくさんの教え子が活躍していましたが、先輩たちの活躍をどんな気持ちで見ていましたか?
伊波 オリンピックはインターハイ前でした。ずっと先生に言われてきた気持ちの部分で、日本代表の人たちはどんな相手に対しても強い気持ちで向かって行っていました。それはインターハイに行く時に良いモチベーションになりました。
「3年間学んできたことの恩返しができたら」
──ウインターカップで負けたくないチームや選手はいますか?
朝比奈 全部に負けたくないです。特にどのチームというよりは、一つひとつ自分たちのバスケをやって勝ち上がりたいという思いが強いかな。私は留学生には負けたくないです。
伊波 どんな相手に対しても、自分たちのバスケットが40分間やり続けられるかどうかだと思っています。勝ったとしても内容が悪かったらそれは自分たちにとって良いゲームじゃなくなります。内容の良いゲームをして勝つことが次のゲームに繋がるので、1試合1試合で良いゲームをすることが目標です。
──高校バスケ最後の大会となりますが、どんな気持ちで臨みますか?
朝比奈 去年はインターハイも国体もなく、ウインターカップに懸けていた思いが強かったので優勝できてうれしかったし、自分も大会のベスト5プレーヤーに選んでもらってすごい自信になりました。今年はインターハイもあったけど、自分たちにとっては最後の大会だから笑顔で終われるように頑張りたいです。
伊波 自分たちの代は負けたことがなかったけど、東海大会で負けてしまいました。でもその負けからチームとして成長できて、ウインターカップで優勝したら先生にとっては70勝になります。その70勝をプレゼントして、3年間学んできたことの恩返しができたらなと思っています。
──あらためて、ウインターカップへの意気込みをお願いします。
朝比奈 3年生にとっては最後の大会になるので、キャプテンとしてしっかりチームをまとめつつ、しっかり自分の役割を全力でやって、自分のプレーでしっかり勝ちに貢献したいと思います。
伊波 ガードとして声を出してチームをまとめ、もっと自分が得点を取りに行くようにしたいです。指示だけじゃなくてプレーでも引っ張り、勝ちにこだわって1戦1戦戦っていきたいです。