2試合連続で自分たちからリズムを崩す「ファンダメンタルを怠った」
インカレの男子は準々決勝の4試合が行われた。優勝候補の東海大は、一昨日のベスト8で大東文化大の猛追を浴びて敗退一歩寸前に追い込まれて何とか競り勝ち、今日の中央大との試合でも第1クォーターで13-4と最高のスタートを切りながら、自分たちのリズムを維持できずに再び相手の反撃を浴び、最後はシーソーゲームに。今日も最後まで分からない展開となった。
最後は辛くも勝利を収めたのだが、東海大4年の大倉颯太は開口一番、「勝たないと次がないので、勝てて良かった。そこはホッとしています」と本音を漏らす。「この2試合は本当に今シーズンでもワーストの出来で、勝ってはいるんですけどアジャストできないのは自分の責任だと本当に感じています。そこはチームメートにもスタッフのみんなにも申し訳ない気持ちでいっぱいです」
選手層は大学バスケ界でも随一で、40分間を通して誰が出ても見劣りしないのが東海大の強みなのだが、その持ち味をコートで表現できない。自分たちにとって心地良い展開を作り出せない理由を大倉は「相手のラッキーシュートや判定にフラストレーションを溜めて、焦るというよりあきれてしまって集中できなくなり、ファンダメンタルを怠ることが僕たちには多すぎて。それが流れを作れないきっかけになっています」と説明する。
ゲームに集中できないことで実力を発揮できない。そんなパフォーマンスで2度も敗退の淵に追いやられたことで自責の念は強く、だからこそ「ホッとしています」との本音も出る。「ベンチもスタッフの皆さんも含めて、満足している人は誰もいないので。もう明日のゲームは始まっているし、相手じゃなくて僕ら次第だと思っています。そこをブラさずに突き詰めていけるかです」
成長にフォーカス「あと2試合というより、この2試合で何ができるか」
ここまで大倉はチームのことだけを話し、自分のパフォーマンスについては全く気にしていなかった。コンディションは「全然悪くない」と言うが、「パフォーマンスはここから上げていかなきゃいけないと思います。今日もシュートが入らなかったですけど、ここで打たない選手になるんじゃなく、自分が引っ張る選手になりたいです」と力強く語った。
それでも中央大に逆転を許した第4クォーター残り1分15秒、1年生の頃から一緒に先発を張ってきた八村阿蓮のスクリーンを使ってスピードに乗った大倉のシュートで東海大が再逆転し、ここでようやくチームは立ち直って、その後はリードを守り通した。いまだチームにメンタル面で不安定な部分はあるとしても、準決勝も決勝も大倉のプレーが東海大のカギになりそうだ。
「インカレのテーマでもあるんですけど、一試合一試合成長すること。まだこの出来ですし、全員が成長していかなきゃいけない。あと2試合というより、この2試合で何ができるか、どういったパフォーマンスを出せるかだと思うので、そこに突き進みます」