ホーネッツ

本格的な冬の到来で懸念される、再びの感染拡大

NBAではリーグ内での新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために『健康安全プロトコル』と呼ばれるルールを定め、これに抵触した選手やスタッフはルールに従って一定期間チームから離れて自主隔離するなどの措置を取っている。先月末の感謝祭のタイミングで、NBAは全チームの選手とスタッフへの定期検査を実施した。そのため、このタイミングで健康安全プロトコルに抵触するケースが増えている。ただ、一気に出るのではなく拡大しつつあるのが『不気味』なところだ。

ブルズではコービー・ホワイトとジャボンテ・グリーンに新型コロナウイルスの陽性反応が出た後、デマー・デローザンとマット・トーマス、デリック・ジョーンズJr.も次々と健康安全プロトコルでチームを外れることに。ブルズでは全員が予防接種を受けているが、この状況を避けることはできなかった。

ホーネッツもラメロ・ボールにテリー・ロジアーとメイソン・プラムリーの先発3人に加えてジェイレン・マクダニエルズとイシュ・スミスまでもが健康安全プロトコルに抵触。ホーネッツは現地11月29日にブルズと対戦しており、その後に両チームで感染者が出ている。因果関係は不明だが、試合がきっかけになった可能性もある。

グリズリーズでは膝を痛めて離脱中のジャ・モラントに陽性反応が出た。健康安全プロトコルによる活動の制限はプレーだけでなくリハビリなどのトレーニングにも及ぶ。グリズリーズはモラントの戦線離脱後も素晴らしいバスケでむしろ成績を上げているが、エースの不在は少しでも短く済ませたいところだろう。

問題は選手だけとは限らない。ペイサーズではヘッドコーチのリック・カーライルが健康安全プロトコルに抵触して、9日のチーム練習を取りやめた。次はカーライルが長らく率いた古巣、マーベリックスとの対戦だが、彼はベンチに入れないかもしれない。

ブルズとホーネッツは5人がチームを外れている。これ以上、健康安全プロトコルに該当する選手が増えれば、昨シーズンにそうだったように試合が延期される可能性もある。ブルズのビリー・ドノバンは「選手たちは厳しいルールをよく順守しているが、この時期に急増しているのも確かだ。試合を延期するような話はまだ出ていないが、これだけ選手が試合に出られないとなると、チームの活動に支障は出てくる」と語る。

ワクチン接種が進んだことで今シーズンのスケジュールは無事に進められるかと思われたが、事態はそう簡単ではない。これから本格的な冬の到来に伴い、感染者も増えるだろう。アメリカの感染者数は6月に1日1万人ほどまで減ったが、その後に再び増加。ここ数日間は12万人前後の感染者を出している。事態がさらに悪化すれば、リーグ戦の一時中断も考えられる厳しい局面だ。