マット・ジャニング

復帰戦となった新潟戦では2桁得点をマークして勝利に貢献

川崎ブレイブサンダースは、11月10日の水曜ナイトゲームで新潟アルビレックスBBに82-81で競り勝った。残り17秒の時点で2点を追いかける劣勢を、ニック・ファジーカスの逆転弾で残り10秒にひっくり返したのは大きな意味を持つが、フリースロー29本中15本成功に終わるなど、チグハグな試合運びが目立った。佐藤賢次ヘッドコーチが「なかなか流れをつかめない試合で正直、反省点の多い試合になりました」と振り返ったように、課題が多く出た一戦となった。

その中でもポジティブな材料だったのは、足の故障で戦線離脱していたマット・ジャニングが10月16日以来となる復帰を果たしたことで、そこには指揮官も手応えを得ている。「良かったところはマット(ジャニング)が復帰して、勝負どころでしっかりプレーしてくれて、シュートも迷わず打ってくれていました。そこはポシティブにとらえられます」

ジャニングは約1カ月ぶりの実戦を振り返る。「今日の試合は入りがすごく良かったですが、そこから向こうがフィジカルにやってきたのに対してペースを握られてしまいました。中盤から苦しい試合になり、最後はどちらが勝つのか分からないシーソーゲームの展開になりましたが、良いプレーをできました。特にニック選手は最後のビッグショットを含め、試合を通して良いプレーをしてくれて、最終的に勝ててホッとしています」

今回、ジャニングは3ポイントシュートが7本中1本成功と、得意の長距離砲は不発だった。しかし、欧州の強豪チームを渡り歩いてきた百戦錬磨のベテランは、そういう時に自分が何をすべきか分かっている。前半は外角シュートが全く入らず無得点に終わると、ドライブ重視に切り替えて後半で10得点を挙げて勝利に貢献した。

「外のシュートが入らなかった時は、よりイージーなシュートを狙いリズムを作っていくことを意識しています。相手がよりタイトについていたので、ドライブがしやすいところもありました」

このように後半での見事なカムバックについて語ると、久しぶりの実戦となった自身の状態を次のように振り返った。「まだコンディションで不足している面があり、足に少し力が入らないところはありました。ただ、試合でしか調整をできない部分はあると思うので、そこはしっかりとできたと思います。故障からの復帰初戦は、誰しも自分の身体を100%は信じきれないところがあります。前半でしっかり動けることが確認でき、それでメンタル面でも手応えを得られました。そこから後半は良いプレーができたと思います」

マット・ジャニング

「ケガは付き物なので、それにどうやって向き合っていくかはすごく大事」

初めての日本でのプレーで新しいチームや環境に慣れないといけない中、いきなりの故障離脱はよりストレスを感じるもの。ただ、それもプロバスケ選手の一部と受け入れ、ジャニングは焦らずにいる。

「ケガをするのは誰しも嫌なことで、いろいろな調整やリハビリをしなければいけないのですごく厳しいです。ただ、この業界でケガは付き物なので、それにどうやって向き合っていくかはすごく大事です。ここから100%の自分を目指して、少しずつ状態を上げていきたいです」

一番の持ち味である3ポイントシュートは沈黙も、そこから立て直して後半だけで2桁得点を記録したことで、逆にジャニングのすごさをより感じさせられる復帰戦となった。今週末の連戦、彼がどこまで状態を上げていけるのかは、川崎にとって勝敗とともに大きな注目ポイントだ。

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