最終クォーターの4分間で0-11と失速
秋田ノーザンハピネッツがホームにアルバルク東京を迎えた水曜ナイトゲーム。
ジョーダン・グリンの3ポイントシュートで先制し、長谷川暢が激しいプレッシャーディフェンスから8秒バイオレーションを奪うなど最高のスタートを切った秋田だったが、その後はA東京のペースで試合が進んだ。
持ち味である激しいプレッシャーは効いてはいたが、ギリギリのところでかいくぐられると、数的有利な状況からイージーシュートを何度も許してしまう。また、センターが不在で高さで劣る秋田はライアン・ロシターやセバスチャン・サイズにオフェンスリバウンドを奪われ、セカンドチャンスポイントで差をつけられた。さらにディフェンスが機能しタフショットを打たせたとしても、リバウンド争いでファウルをコールされてしまう苦しい展開が続いた。
オフェンスではA東京のタイトなディフェンスの前にズレを作ることができず、ゴール下に切り込んでもパスコースがなく、良いシュートチャンスがなかなか生み出せない。第2クォーター開始4分、ジョーダン・テイラーにワンマン速攻を許し、15-30と大量ビハインドを背負った。
しかし、秋田は保岡龍斗と川嶋勇人の活躍でここから反撃を開始する。チームでも随一のピック&ロールの使い手である川嶋が、緩急をつけたドライブでペイント内に侵入し、アレックス・デイビスの得点をお膳立てすると、保岡はこれまでになかった縦へのドライブで得点を重ねていく。こうしてチームとボールが連動し、オフェンスが活性化した秋田は第2クォーターだけで10得点を挙げた保岡の活躍もあり、31-37と2ポゼッション差に迫って前半を終えた。
後半序盤、得意とする速い展開に持ち込んだ秋田は中山拓哉とグリンの3ポイントシュートが連続で決まり、ついに同点に追いつく。その後、古川孝敏の3ポイントシュートで一時逆転に成功したが、開始5分でチームファウルが4つに達し、終盤にフリースローの失点がかさんだことで5点ビハインドで最終クォーターへ突入した。
ここまで我慢強く戦いクロスゲームに持ち込んだ秋田だったが、勝負どころを熟知するA東京のプレッシャーに突如飲まれる。ディフェンスのギアが一段階上がったA東京に対し受け身に回ってしまったことでボールが動かなくなり、足も止まり、サイドからのインバウンドパスやハンドオフの場面で何度もボールを奪われた。そして、そのままイージーシュートに持って行かれてしまうなど、ターンオーバーからの失点が連続し、この最終クォーターの大事な約4分間で0-11と走られた。
その後、最後まであきらめない姿勢を貫いたが、ギャンブルなディフェンスも多くなり点差は思うように縮まらず、最終スコア73-88で敗れた。
A東京の指揮官、ルカ・パヴィチェヴィッチが「セカンドチャンスポイントを与えず、相手の速攻に繋がらないような良いシュートで終わることができた時間帯が長かった」と総括したように、速攻で14-7、セカンドチャンスポイントで11-6と上回り、秋田の得意なバスケットを展開させなかったことが勝敗を分けることになった。